タレント・中居正広の女性トラブルを巡るフジテレビ問題が東京都の事業にも波及、懸念されている。都の関係者が明かす。
「東京都は今年の10月から年末にかけてフジテレビのあるお台場エリアを会場に国際的な芸術イベント『東京お台場トリエンナーレ』を開催する予定。このイベントの実行委員会にはフジテレビも入っていて、フジテレビの社屋も会場となる。しかも実行委員長はフジテレビの遠藤龍之介副会長です。ところが一連の問題を受けて、1月27日の会見で遠藤副会長は『トリエンナーレに関して予定通り運営できるとは思えない。延期や中止もある』と発言、波紋を広げているのです」
実は東京都には、フジ問題を契機に先行きが見通せない、もうひとつの事業があるという。都関係者が続ける。
「小池都知事の肝いり事業として昨年発表された一大プロジェクトで、お台場海浜公園に25年までに26億円を投じて幅250メートル、高さ150メートルという世界最大級の噴水『ODAIBAファウンテン(仮称)』を完成させる計画です」
会場近くにフジテレビ社屋があるのは確かだが、噴水建設がどう絡むのか。都政をウォッチするメディア関係者が説明する。
「一部の都議がこの噴水建設を要望した団体をチェックしていたら『一般社団法人 東京臨海副都心まちづくり協議会』というのが出てきたという。その理事長はいま話題となっている“フジテレビのドン”こと日枝久取締役相談役。そのため都議らは都議会で、この噴水案件について日枝氏の影響はないか都知事に徹底して質そうという動きとなっているのです」
先の都関係者もこう明かす。
「フジテレビ問題がさらにこじれれば、お台場トリエンナーレも“小池大噴水”と揶揄されるお台場噴水プロジェクトも宙に浮くことは十分ありうる。小池都知事は湾岸プロジェクトで華々しく3期目のアドバルーンをあげようとしたが、フジショックで一気にアドバルーンが破裂したため、相当ショックだと思いますよ」
だが、異例の10時間会見のあと、フジテレビへの風向きは変わりつつあるという。芸能記者が言う。
「週刊文春は中居との会食について、被害女性はフジテレビ幹部に誘われたとしていたものを、中居に誘われたと訂正しました。そのためフジは一転強気となり、文春提訴の可能性も見せはじめているのです」
ただし、トラブルが発覚したあと、フジテレビが被害者救済を含めどう動いたのかはいまだ不透明な部分がある。
「この部分をフジテレビが払拭できなければ先の東京都との共催イベント、そして噴水建設問題も色メガネでみられる可能性はある。要は中居問題にフジがどこまで透明性をもって対応できるか、そして被害者が納得できるかが今後の焦点でしょう」(前出・芸能記者)
突然、お台場を襲った「中居の雲」が晴れるには東京都の事業も含め、もう少し時間がかかりそうだ。
(田村建光)