「お前が言うな」逆風でも舛添要一「小池批判」連投の理由とは? 元秘書が語る

 舛添要一氏の名前でヤフー検索すると、「関連検索ワード」に「お前が言うな」のフレーズが出てくることがあった。その詳細な理由は後述するが、確かに、3月下旬に入って新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されはじめてから、舛添氏のツイッター上で、小池都知事への批判が繰り返されている。

「昨晩の小池都知事の外出自粛要請に反応して、都内のスーパーなどで冷凍食品などの買い占め騒ぎが起こっている。これが、また品薄状態を呼び、パニックを招く」(3月26日)

「重要な決定を国民に伝えるときには、ロックダウンなどという言葉を軽々に使ってパニックを煽ってはならない」(3月28日)

「パフォーマンスが得意な小池都知事、豊洲騒動の再現のようだ」(4月10日)

 ニュースサイトにこうした舛添氏のツイッターを取り上げた記事が出るたびに、そのコメント欄には書き込みが殺到。《他人の批判ばかりしないで自分のしてきたことを反省してください》、《小池さんを批判する前に、自分が辞めることになった疑惑をきちんと説明しろ》、《都政を全う出来なかった舛添氏に、小池都知事以上の決断ができたかどうか…》などなど、「お前が言うな」の大ブーイングを浴びる形となっている。それでも批判ツイートが連投されたのはいかなる理由があったのか。

 過去17年間にわたって国会議員の政策秘書を務め、「国会議員裏物語」(彩図社)、「官邸支配」(イースト・プレス)などの著者で知られる政治評論家の朝倉秀雄氏はこう語る。

「小池さんと舛添さんとでは、根本的に政治姿勢が違います。小池さんは本人が言うように“都民ファースト”で物事を考えています。うがった見方をすれば、東京都のことしか考えていないので、日本の経済全体にまで考えがおよんでいないという面もあります。テレビに出ては、バンバンと救済策を打ち出している小池さんを安倍総理も苦々しく思っているはずです。一方の舛添さんは、永田町とうまく連携を取っていたかのように思いますが、“自分ファースト”と捉えられてもおかしくない行動が批判を浴びたように、そもそも政治家としては両極端のタイプと言えるかもしれませんね」

 2014年に都知事選に立候補し、当選を果たした舛添氏。だが就任から2年後に、「週刊文春」の報道によって、政治資金の「公私混同問題」「公用車の私的利用問題」が発覚。さらには「クレヨンしんちゃん」などのコミック購入代金を政治資金で支払っていたことまで報道されると、世間から「セコすぎる」と批判を浴びたものだった。結果、2016年6月に都知事の職を辞し、その後の都知事選で当選を果たしたのが、現・小池百合子都知事だ。

「舛添さんが小池さんへの批判を繰り返すのは、やはり“嫉妬”というのが大きいんじゃないでしょうか。小泉純一郎さんも、安倍総理については何かと批判的なコメントを発信しているでしょう? 前任者というのは後任の人間がやっていることにいろいろケチをつけたくなるもの。というのも新しい組織のトップに立った人間というのは、何か新しい取り組みを周囲に示さなくてはいけない。何かを変えなくてはトップ交代の意味がありませんから。そういう点では、舛添さんがずっと取り組んでいた政策のなかに、小池さんによって白紙撤回されたものもあるはず。小池さんに対して面白くないと思うのは当然かもしれません」(前出・朝倉秀雄氏)

 舛添氏の「小池批判ツイート」から受ける印象も、今後、少しは変わってくるかもしれない。

(編集部)

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