阿部慎之助監督の参謀役は誰か? 10月4日のDeNA戦後、原辰徳前監督の退任挨拶に続いて、新監督・阿部がマイクを握った。ペナント奪還を強く誓ったが、同日、山口寿一オーナーはコーチ人事について聞かれ、
「監督の意向は当然重要ですので、新監督の考えも十分に聞いて、最終的には私が自分で決めること。意見が調整つかないとかね、分かれていった場合には私が決めようと思っています」
と説明していた。
「編成トップとなる球団の編成本部長は決まっているようです。吉村禎章氏が同副部長から昇格すると見られています」(スポーツ紙記者)
だが、吉村氏の意向でコーチ人事が組閣されるわけではない。すでに、埼玉西武の2軍コーチだった内海哲也氏の帰還が“内定”しており、これは阿部監督との現役時代からの繋がりによるもの。やはり、苦楽をともにした世代や、捕手・阿部にお世話になった後輩たちでコーチ陣は固められるようだ。
その一環だろう。アノ話も再燃してきた。
21年にヤクルトに移籍した田口麗斗の帰還説だ。田口は今季国内FA権を取得。クローザーとしても活躍し、ヤクルト球団は複数年契約を提示して慰留に必死だが、田口自身は「考え中」の態度を変えていない。
「田口はヤクルトに移籍し、評価を高めました。普通に考えたら残留ですよね。ではなぜ、これまで態度を保留してきたかというと、どうもメジャーリーグ挑戦の夢があるみたい。海外FA権を取得するためにあと1年は動かないで、来年オフまでにメジャーに挑戦するかどうかをゆっくり考えようと…」(関係者)
ヤクルトが慰留のために提示する「複数年」を受ければ、海外FA権の行使、つまりメジャーリーグ挑戦の夢も諦めることになる。
「そこに阿部監督の誕生が重なりました。田口は迷っています」(前出・関係者)
ヤクルトはメジャーリーグ挑戦の夢を持つ選手には寛容だったはず。当然、田口の夢は下交渉の段階で聞かされていただろう。それでも、複数年を提示してきたということは、田口に限っては認めない、チーム再建のために残って欲しいと考えたのだろう。
「巨人はポスティングシステムの前例を作りました。交渉の余地は十分にあります」(前出・関係者)
内海も帰ってくる。長野久義も帰ってきた。次は田口か…。
(飯山満/スポーツライター)