内海哲也の古巣・巨人戦登板は「生き残り」を掛けた人生劇場に!

 巨人は、矢野阪神のようには終わらないだろう。セパ交流戦の第3節となる埼玉西武戦で、移籍3年目の内海哲也投手との対戦が実現しそうだ。

「6月3日、内海が先発する予定です」(球界関係者/5月31日時点)

 しかし、阪神の対鳥谷、対能見とは違い、「波乱の予感」も伝えられている。

「内海は『楽しみであり、緊張もしている』と話していました。試合前、旧交を温めるようなシーンも見られると思います」(スポーツ紙記者)

 それでも「波乱」が予想される理由は、原巨人の現状と「内海の立場」にある。今季の内海は二軍戦7試合に登板し、4勝負けナシ、防御率も1点台と、いつ一軍に呼ばれてもおかしくない状況にあった。

 だが、今回の巨人戦での先発は、“代役”。先発ローテーションの一角であるニールが、新型コロナウイルスに感染した源田壮亮との濃厚接触者と判断されたため、巨人戦での登板ができなくなったのだ。

 プロである以上、勝利に向かって全力でプレーするのは当然だが、ニール復帰後も一軍に定着したいのなら、結果を出すしかない。

「内海の巨人時代を知る投手は全員、彼を慕っています。頑張ってほしいが、チームは勝たなければなりません」(前出・同)

 首位阪神とのゲーム差は4・5。阪神は交流戦で勝率5割とやや苦戦しているものの、そのゲーム差はなかなか縮まらない。これ以上広がるようなことになれば、中盤戦以降の戦い方に大きなハンディを負うことになる。こんな話も聞かれた。

「セ・リーグの各球団は『交流戦を勝率5割で乗り切れたら』と話していました。交流戦で好調なのはDeNA、でも、原辰徳監督は交流戦の優勝を狙うなど前向きな発言もしていました」(前出・関係者)

 交流戦でチームの士気を高め、通常のペナントレースに戻りたいと捉えていたのかもしれない。内海、巨人ともに昔話をしている余裕はないようだ。

「阪神が鳥谷と対戦したときと比べると、状況も異なります。鳥谷は一軍に定着しています。能見は救援陣の一角としてオリックスに馴染んでいます」(在阪記者)

 内海対巨人打線は、生き残りを掛けた“真剣勝負”となりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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