“人的補償”入団の内海が「西武連覇」のカギを握るワケ

 昨季のパ・リーグの覇者である埼玉西武ライオンズが、開幕投手に4年目の右腕・多和田真三郎を指名した。昨季最多勝の実績からして当然の選択だが、辻発彦監督が密かに期待を寄せているのは、ドラフト1位ルーキーのほうだった。

「多和田が扁桃腺炎による発熱でチームを一時離脱したとき、開幕投手の変更も囁かれました。その筆頭候補とされたのが、新人の松本航です」(スポーツ紙記者)

 松本は日体大の出身。首都大学リーグでは菅野智之以来となる通算30勝、300奪三振をマークし、根尾昂や吉田輝星らの甲子園ヒーローたちとドラフトがかち合わなければ、ナンバーワン投手と称されたはず。その松本が順調な仕上がりを見せている。そして、その松本をさらに引き立てているのが、FAで巨人入りした炭谷銀仁朗の人的補償で移籍してきた内海哲也だ。

「技巧派の内海は打ち損じを誘うピッチングです。近年のパ・リーグにはいなかったタイプなので、昨季以上の活躍も期待されています。巨人時代から練習熱心でしたが、松本だけではなく、若手の手本になっていました」(同前)

 その内海も軽い肉離れが判明したが、開幕には間に合わずとも復帰までさほど時間はかからないと見られている。辻監督は内海のローテーション入りを決めているが、こんな声も聞かれた。

「内海も多和田が離脱した際、開幕投手候補として名前が挙がっていました。多和田、松本は速球派。3連戦の真ん中に技巧派の内海を挟めば、両投手の個性がより際立ちます。西武2年目の榎田も内海とはタイプが異なるので、内海がローテーション入りすればその効果は絶大です」(球界関係者)

 左肩の張りを訴えた榎田は気掛かりだが、技巧派の内海を”見せる”ことで、相手チームは多和田、松本の速球をより速く感じるだろう。菊池雄星の抜けた穴は「松本+内海」で補えそうだ。

 逆に言えば、榎田、内海の復帰が遅れ、多和田が本調子でなければ連覇は一気に難しくなりそうだ。

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