岸田政権が行った内閣改造は出だしから波乱含みだった。
目玉のはずだった小渕優子氏の選対委員長抜擢で、彼女の過去の政治資金の問題が再浮上してしまい、また、過去最多の5人の女性閣僚を誕生させたまでは良かったが、岸田首相が「女性ならではの感性や共感力も十分発揮していただきながら」と語ったことで、「女性ならでは」の発言が「時代錯誤」と批判を受けた。
だが、そのくらいならまだ全然マシ、と言えるのが立憲民主党だという。
例えば、民主党政権時代には総務大臣まで務めた原口一博氏だ。9月12日に配信されたネット番組でウクライナの現状について述べた際、「日本はネオナチ政権の後ろにいる」と、「ウクライナ政権=ネオナチ」のように受け止められるような発言をしてしまった。当然ながら、ウクライナ大使館から「強い懸念」とともに、「絶対に受け入れられない」と猛抗議を受けたのである。
「原口氏はその後、『とロシアが言っている』という趣旨の発言だったと釈明しました。確かに発言の真意については解釈の余地があるかもしれませんが、原口氏は同時に、ウクライナの復興に関しては、『ぼくらが債務保証の裏書をする』と、あたかも復興のための援助の役割を押し付けられているかのような発言も行っているので、かなりの予断を持っていることは否めません」(政治部記者)
立憲民主議員の不規則発言はこれに留まらない。
「石垣のりこ参院議員は、福島県いわき市の処理水の海洋放出反対の集会に参加して、処理水を『汚染水』と呼んでいます。阿部知子衆院議員も7月に、海洋放出反対で来日した韓国野党の議員とともに放出反対を訴え、Xで『汚染水』という言葉を使っていますね。党が独自の調査によって処理水は汚染されていると主張するのは良いのですが、その一方で、泉健太代表は、9月6日のXで福島の海産物を食べて安全性をアピールしている。発言の裏付けとなる科学的根拠が党で共有されていないようなのです」(前出・記者)
こと発言の軽率さに関しては、自民も立憲民主も五十歩百歩なのかもしれない。
(猫間滋)