岸田首相がウクライナ戦争資金と復興支援「10兆円」を引き受ける“増税地獄”

 国内政治で問題山積みの岸田文雄首相は、久々に胸を張れる晴れ舞台、国賓待遇でのアメリカ訪問が4月10日に迫る。迎える米バイデン大統領は岸田首相に7月に開かれるNATO首脳会議への参加を促しているが、狙いはウクライナ支援での日本の負担増という見方が浮上している。

 バイデン大統領は秋の大統領選で激突が濃厚なトランプ前大統領の横ヤリにより、下院で多数を占める野党共和党がウクライナ支援予算約9兆円を通さないことに焦っている。ウクライナのゼレンスキー大統領も「5月にロシア大攻勢が始まれば金欠で砲弾が不足し今のままでは敗走だ」などと必死で米下院議長に泣きついている状況だ。

「バイデン大統領にすれば、ウクライナ侵攻でロシアが優勢になってしまえば面目丸潰れで、大統領選も危うくなる。そこで考えているのが、アメリカに大きくのしかかっていたウクライナ支援の一部を日本に肩代わりさせる案と言われているんです」(霞が関関係者)

 ドイツのシンクタンク「キール世界経済研究所」の調査では、これまでのウクライナ支援の総額は、22年の侵攻開始から今年2月までで国別ではアメリカが断トツ1位の約11兆円、EU各国の総額で13兆円、そして日本は約1兆2000となっている。

 日本のシンクタンク関係者が次のように指摘する。

「バイデン大統領は腹の中で、日本の援助額を5兆円前後にまで引き上げたいと密かに狙っている。そして自国負担割合をできるだけ引き下げ『アメリカ国内が困っているのにウクライナにそこまで支援しなくてもいい』という一部アメリカ国民を納得させて大統領選も有利にしたいとの思惑も透けてみえる。そのためのNATO首脳会議への参加呼びかけと見る」

 もちろん、日本のNATO会議出席は22年から過去2回出席しているため今回もその延長という見方も多い。だが今回7月のNATO会議は重さが異なると指摘するのは、前出の霞が関関係者だ。

「今年のNATO会議はアメリカ主催、ワシントンで開かれ、さらに発足75周年記念大会。直後には大統領選も控えるタイミング。そこにNATO未加盟国の日本の岸田首相を招くのは、それだけ目に見える役割を期待しているということです」

 今年2月にはウクライナの戦後復興について話し合う「ウクライナ経済復興推進会議」が都内で開催された。この復興には最低でも70兆円という莫大な資金が必要とされる。

「そのメインも日本といわれ、負担額6兆という数字が一人歩きしていますが、日本中心でカネを出せという各国からに暗黙の圧力がある中、ええ格好しいの岸田首相が6兆からの復興金を引き受けるのではと、財務省関係者らはブルッている。この復興支援と今戦争の不足資金補填と併せれば、日本の負担は10兆円という恐るべき額になる。日本国民にウクライナ税でも徴収しなければ到底無理な話です」(前出・霞が関関係者)

 もはやアメリカのポチ、アメリカのATM化となりつつある「増税メガネ」に任せておいては、日本は滅びる。

(田村建光)

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