岡田阪神「12球団トップ防御率」のウラに潜む意外な“ワースト数字”

 阪神が弱点を露呈? 7月23日、神宮球場で行なわれた東京ヤクルト戦は、試合後半に決勝点、ダメ押しの得点をあげた阪神が勝利した。1対1の同点で迎えた7回1死一、三塁で、代打・渡邉諒がコールされた。一ゴロだったが、三走が本塁突入。本塁送球を焦ったのか、ヤクルトの一塁手・オスナが落球して、均衡が破れた。

 試合後、岡田彰布監督はその代打・渡邉諒の一ゴロを指して、

「なんか、ええイニング(7回)で、ええ1点が入ったよ。なんか泥臭い、変なのが」

 と、ご満悦の表情で語っていた。

 三走・森下翔太の走塁センスはもちろんだが、代打が得点に絡むのは久しぶりのことである。
 
 実は、阪神代打陣の打率はリーグワーストなのだ。阪神の代打成功率は1割6分4厘、同トップの広島は2割6分8厘だから、かなりの差があると言っていい。

「この先、猛暑日が続きます。投手の継投がカギになってきますが、セ・リーグの場合、『前イニングで投手に代打を出して』というパターンが多いので、代打の成功率が低いと得点力が落ちてしまいます」(ベテラン記者)

 阪神の投手力は12球団トップ(防御率2.82)なので、先取点を挙げて逃げ切るパターンも多い。目下、守護神の湯浅京己が二軍調整中であり、リリーフ投手陣全体に疲れが見えてきた。得点好機で起用される代打陣の活躍は夏場に大きな影響を与えそうだ。

「岡田監督は佐藤輝明やノイジーなどが打撃成績を落とし、スタメンから外れた日も調整のために、彼らを代打で起用することもあります。彼らが代打で出て打てない分も加算されているので、チーム全体の代打成績も落ちているんだと思います。スタメンを外された選手の調整機会として『代打枠』が使われているところがあるので、阪神の代打成功率が低いのは止むを得ないこと」(前半メディア)

 不振選手の復調のきっかけとして、代打起用されたときに長打が出れば、一石二鳥なのだが…。投手継投がカギになるこの夏場、投手交代に絡む「代打」がかぎになりそうだ。

(飯山満/スポーツライター)

スポーツ