岡田阪神にアナリストが誕生する。京都大学野球部「データ班」を4年間務め上げた三原大知さんが専属アナリストとしてタイガース入りする。
「戦力・分析担当のチームは以前からありました。より詳細な科学的根拠のある判断材料を首脳陣に提供するため、アナリストを置くことになりました」(在阪記者)
球界のアナリスト職とは自球団の選手だけではなく、対戦チームの選手の分析も行う。スコアラーが集める従来のデータとの併用になるという。“15年ぶりのアレ”を狙うため、頼もしい味方が増えたわけだが、こんな声も聞かれた。
「現場は大変そうだ。もちろん、良い意味でだけど」(球界関係者)
岡田監督は準備を怠ることをもっとも嫌う。例を挙げれば、第一次政権下で相手投手が交代し、「どんな球種があったかな?」と選手がデータ資料を見直すと、
「そんなもん、試合前にやっておけ!」
と一喝していた。コーチやチームスタッフに対してもそうだ。ユニフォームを着た後に手帳やデータ資料を読み直すのを嫌い、「準備不足だ!」と叱っていた。
そう言われてみれば、昨秋のキャンプ中、コーチや球団スタッフの間に“妙な緊張感”があった。前政権では善し悪しは別として、和気あいあいとした雰囲気もあった。しかし、岡田監督は選手の状態を突然質問することもあり、答えられないと「そんなんじゃダメやろ!」と叱り飛ばすそうだ。
「岡田監督は選手と一対一になって叱責することは滅多にありません。叱るときは担当コーチを加え、選手とコーチの両方を叱ります。岡田監督に鍛えられたコーチ、球団スタッフは少なくありません」(前出・在阪記者)
アナリストが加入すれば、データはより詳細になり、覚えることも増える。また、ITの専門用語のようなものも出てくるだろう。岡田監督もアナリストの加入を喜んでいるそうだが、コーチ、球団スタッフは大変そうである。
(飯山満/スポーツライター)