岡田阪神「30万ドル」で途中補強した外国人投手が「割高すぎる」理由

 岡田阪神がB・ケラーをウエーバー公示し、前ヤンキース傘下3Aのコルテン・ブルワーを獲得した。

 ブルワーは、岡田彰布監督の第一次政権で鉄壁の救援トリオJFKの一角を務め、現在は駐米スカウトのジェフ・ウィリアムス氏が推す右腕。年俸は推定30万ドル(約4300万円)だ。MLB出場経験を持つ投手を30万ドルで契約できたことで「お得感」を口にする関係者も多い。

 嶌村聡球団本部長も「8月初旬ぐらいには来日できたらと考えております」と語り、期待は大きいようだが、途中補強についてはいま一度考え直したほうがいいかもしれない。

 仮に、蔦村本部長の言う通り、8月5日ごろに来日したとしよう。そこから調整し、サインなどを覚えさせ、ファームで実戦経験を積んでから一軍合流という流れが予想される。そうなると、駆け足で調整させて8月11日からの京セラドームでのヤクルト3連戦、もしくは、15日の広島遠征からの一軍登録が予想される。

 阪神は前半戦84試合を消化して46勝35敗3分けで折り返したから、ペナントレースは残り59試合だ。ブルワーが8月11日のヤクルト戦に間に合ったとしても、オールスターゲーム後、阪神は7月に8試合、8月に9試合が組まれている。天候に恵まれてその17試合が無事に消化できていたとしたら、ブルワーの合流するヤクルト戦はちょうど100試合目。つまり、約4300万円は44試合分のギャランティでしかない。

「1試合あたり約98万円」、ペナントレース143試合分に計算し直せば、約1億4000万円。主砲・大山悠輔(推定1億3000万円)よりも高くなるのだ。

「シーズン途中で補強してきた外国人選手の年俸って、だいたいこの位の金額ですよね。昨年7月に獲得したアデルリン・ロドリゲスは25万ドル(約3250万円/当時)でした」(在阪メディア)

 外国人選手数のスリム化も目指していた岡田監督にとって、途中獲得の外国人選手は想定内だったのか。いずれにしろ、その「割高の年俸」に見合う活躍が期待されるのである。

(飯山満/スポーツライター)

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