岡田阪神、新外国人の獲得難航で「あの伝説リリーバー」帰還に現実味

 秋季キャンプ中のフリートークで、阪神・岡田彰布監督がボヤいた。渉外担当者が持ってきた外国人選手の映像資料を見たのだが、どうもお眼鏡に叶った候補が1人もいなかったらしい。最後は「レベル、下がっとるよな」とバッサリ斬り捨てた。

「新外国人選手の補強に関しては、メジャーリーグのFA選手リストが公表されてから見極めていく段取りでした。岡田監督の口ぶりからして、作戦変更ですね」(在阪記者)

 当初、新外国人選手は「野手2人、投手2人の獲得を予定している」とも語っていた。 とくに投手に関しては「先発とリリーフが1人ずつ」と言いつつも、「先発、リリーフと決めて掛かるのではなく、良い投手を獲りたい。そのうえでチームを編成して」とも話していた。まさに、量よりも質。米FAリストを見て、その“質の選択”が適わないとなれば、着目点を変えるしかない。

「米FAリストには元阪神のピアース・ジョンソン投手も入っています。今オフはビッグネームも多いので、リリーバーが決まるのは最後のほうになりそう」(米国人ライター)

 ジョンソンは2019年、阪神で58試合に登板し、40ホールド、91奪三振、防御率1.38と大活躍したセットアッパーだ。20年からはパドレスでもセットアッパーとして活躍してきたが、今季は故障もあって、防御率5.02と成績を下げた。

「ジョンソンの希望はMLB優先でしょうが、交渉の遅延でシビレを切らすかも。それに、パドレスには同じく阪神からやってきたスアレスもいます。スアレスは今オフ、5年総額4600万ドル(約64億4000万円)の大型契約でパドレス残留が決まりました。阪神の先輩として、それ以下の契約は受け入れられないでしょう」(前出・同)

 ジョンソンの今季年俸は300万ドル(4億2000万円)。今オフ、阪神は8人の外国人選手のうち、7人を解雇しており、その合計年俸額は11億円強となる。

「量よりも質」の作戦を“良質”に変え、ジョンソンを呼び戻すのもアリだと思うが‥‥。 

「ジョンソンは阪神で成長した投手です。在籍は1年でしたが、『今も阪神選手とは連絡を取り合っている』と米メディアに話していました」(前出・同)

 その奪三振率の高さから、ジョンソンは虎ファンの間では伝説的なセットアッパーとして記憶されている。阪神の渉外担当者がジョンソンとの接触に成功すれば、岡田監督のご機嫌は間違いなく直るのだが、果たして…。

(スポーツライター・飯山満)

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