石田純一「壱成君との共演は感慨深かった」/テリー伊藤対談(3)

テリー 「不倫は文化だ」。あれもひどい話ですよね。

石田 うーん。でもあれは笑っちゃうんですけど。一度テレビ番組でも検証したんですけど、あれは「スポニチ」の記者の方が付けたタイトルなんですよ。

テリー 石田さんの言葉じゃないんだよね。

石田 確かにそういう内容のことは言ったんですけど。だから、「不倫は文化だ」っていうのは、その方のキャッチコピーで。「何か僕が言ったことになっちゃってて、すみません」って謝りに行ったこともあります。

テリー もう石田純一の代名詞だもんね。

石田 いや、だから、これは美輪明宏さんに言われたんですけど、「あんた、あれがなかったら、ただの老俳優じゃないの。あれで違う立ち位置をもらったんだから、いいじゃない」って。それはほんとにそうかなって思いますけどね。

テリー いや、ただの老俳優ってことはないと思いますけど。だって、また7月7日(金)から公開される映画「散歩屋ケンちゃん」が、いしだ壱成さんとの親子初共演っていうこともあって話題になってますよね。

石田 そうですね。個人的には壱成君のことをまだみんな覚えててくれて、ほんとありがたいなと思いますね。

テリー 僕、見させてもらいましたけど、作品としてもおもしろくて、ビックリしましたよ。

石田 あ、そうですか。良かった。今日は相当(悪いこと)言われるんじゃないかと思って、覚悟して来たんですけど。

テリー いや、特に寺井(広樹)さんっていう監督は腕があるなと思って。

石田 あ、すごくおもしろい人ですよ。

テリー 実は壱成さんには去年の6月に、この対談に出てもらったんですけど、ちょっと風変わりじゃないですか。

石田 そうですね。

テリー だから、彼が主役の映画ってどうかなと思ったんですけど、この映画の主人公のケンちゃんもいろいろあって散歩屋を始めるっていう風変わりな人だし、おもしろそうなことは何でもチャレンジする前向きな人でもあって。壱成さんの良いところをすごく引き出してますよね。

石田 ありがとうございます。この映画のカメラマンの曽根剛さんという方も「カメラを止めるな!」でカメラマンだった方なんですよ。あれも低予算ながら、すごくおもしろい映画で。

テリー そうですよね。僕も見てます。

石田 だから、低予算の中で「どれだけおもしろいことができるか」っていう才能がある方が集まってますよね。

テリー そもそもこのタイトルが「洗濯屋ケンちゃん」のパロディですもんね。

石田 寺井監督の前作(原作・脚本)も「電車を止めな!」ですから(笑)。

テリー そもそも若い人に向けていないというか。でも、この映画のポスターやチラシにも使われてるキービジュアルは、石田さんが座る車椅子を壱成さんが押して歩いているシーンじゃないですか。当然、映画にも出てくるシーンですけど。あれ、どんな気持ちで演じてたんですか。

石田 やっぱり感慨深かったですよ。もちろん、その場には役者同士として立っているんですけど、それ以上のプラスアルファが出てますから、やっぱり僕で良かったのかなって、ちょっと思いましたね。

テリー 映画の中でも親子の役ですからね。この映画について壱成さんとは何か話したんですか。

石田 いや、話してはないです。時々会うんですけどね。今、彼は千葉に住んでるみたいで、もう焼肉屋にも3回来てくれましたよ。

(つづく)

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