ケイン・コスギや渡部篤郎、高橋克典など数々のレパートリーを持つモノマネタレントの山本高広。そんな彼のネタの中でも一番有名なのが織田裕二だが、かつて織田の所属事務所がモノマネ禁止を通達したと言われている。
「正しくは『テレビでモノマネをする際には事前に事務所側に承諾を取ってほしい』という内容でした。08年に写真週刊誌『FLASH』が報じ、フジテレビも定例会見で通達の存在を認めています。山本さんは今でこそ声優としても活躍していますが、当時はこの報道を境にテレビ出演が徐々に減り、モノマネ禁止令によって干されたと世間から捉えられてしまったんです」(メディアジャーナリスト)
ただし、これはテレビ局サイドの過剰な忖度だった可能性が高いと指摘する。
「本来、モノマネされた側の著作権や著作者人格権、パブリシティー権を考えれば、営利目的でテレビに出る際に許諾を得る必要があります。しかし、テレビ業界ではモノマネをされる側の許可は不要という暗黙の了解が出来上がっていました。そのため、局側にとってはいちいち事務所に許可をとるのは面倒ですし、それで山本さんを起用するのはやめようという流れになったようです」(同)
この件に関して山本本人は、16日に配信された「Number Web」のインタビューで、「発言などに気をつけていただければ大丈夫です」といったコメントが織田の事務所から出されていたが、それでもテレビ局関係者から「大丈夫ですか?」と未だに聞かれる状況が続いていると明かしている。
「山本さんに限らず、どのモノマネ芸人も真似をしている相手のことはリスペクトしています。ただ、織田さんはドラマの番宣目的でもバラエティには滅多に出ない方ですし、かつて会見でモノマネの印象を聞かれて『僕は笑えない』と答えたことで勝手に悪く解釈されてしまった。でも、山本さんは19日放送の『お笑いオムニバスGP』(フジテレビ系)でも織田さんのモノマネを披露していますし、実際には何の問題もなかったことを証明しています」(同)
このご時世、テレビ局側の自主規制も必要だが、こればかりは少々行き過ぎた対応だったようだ。