「地球に生まれてよかった〜〜〜っ！」
織田裕二が世界陸上で残した名言だ。活躍した選手よりもインパクトのあるコメントで、タレント・山本高広の物まねで世に広がった。
1997年の第6回アテネ大会から2022年のオレゴンまで、中井美穂と共に四半世紀にわたってMCを務めてきた。世界陸上といえば織田裕二、テーマソングも織田裕二、曲が聴こえれば「あ〜世界陸上の夏が来た」というほど風物詩だった。
だからだろうか、ブダペスト大会の“織田裕二ロス”が半端ない。これまでは《どうせ専門家の受け売りでしょ》《本当にアリソンとかヴェロニカとか応援してんの？》《サニブラウンをサニーって呼ぶな》などと散々ツッコまれまくっていたのが、今回は放送初日から《世陸はやっぱり織田裕二じゃないと》《世界水泳がultra soulなら、世界陸上は今回もAll my treasuresにすべき》《織田裕二の「く〜っ」が聞けないとつまらない》という変わりようだ。
「他人に関心がなさそうな織田裕二の唯一熱い面が見られるのが世界陸上でした。今回のブダペスト大会はTBSのアナウンサーと高橋尚子がMCのため、発火材的盛り上げ役がいないのが致命的ですね。いわば、世界水泳に松岡修造がいないようなもの。日テレの箱根駅伝の方がアナウンサーだけでも盛り上げ方は一枚も二枚も上ですね」（エンタメ誌編集者）
主役は選手、織田裕二に語らせるな…といった意見もあった世界陸上だが、いざ織田裕二抜きで選手のコメントや記録を丁寧に紹介するようになったら面白さ半減。グイグイくる織田裕二を優しく受け止める中井美穂という組み合わせが、陸上ファンの夏の楽しみだったことを改めて実感することとなった。
（ロドリゴいしざわ）
