ドラマ「シッコウ!!」で脚光!“国の強制仕事人”「執行官」のリアル

 織田裕二が30年ぶりに主役以外を演じることで話題となった今月放送開始のドラマ「シッコウ!!〜犬と私と執行官〜」(テレビ朝日系)。同ドラマでの彼の役柄は強制執行によって不動産・金品など財産の差し押さえや没収を行う国家公務員「執行官」。これまで映画やドラマであまり取り上げられなかった職業ということもあり、執行官という仕事自体にも注目が集まっている。

 例えば、強制執行にはマンションやアパートなどの賃貸物件における家賃滞納者の明け渡し、離婚養育費の未払い者への給料の差し押さえ、ゴミ屋敷からのゴミの撤去などさまざまなケースが存在。なかでも執行官と家賃滞納者の強制執行の明け渡しに何度も立ち会った不動産管理会社の社員は、当時の模様を次のように振り返る。

「通常は滞納3ヶ月で契約解除となり、通知や内容証明を送りますが、連絡がなければ簡易裁判所に明け渡しの申し立てをします。ただし、判決が下るまでに半年前後かかり、そこから裁判所から派遣された執行官と打ち合わせ。最終的に強制執行を行うまでに最初の滞納から1年ほどかかるのが一般的です」(不動産管理会社担当者)

 入居者には事前に裁判所から明け渡し期日を明記した催告書が送付されるが、再三にわたって無視していた彼らがここで応じるケースは少ないとか。執行官とは荷物の運び出しや保管場所、鍵の交換など当日の段取りについて話し合い、強制執行全般に関するアドバイスをしてくれるという。

「当日も立ち会ってくれますし、滞納者が居た場合も執行官の方が対応してくれます。逆ギレや泣き落としなど抵抗を試みる方もいますが、一切応じることなく毅然とした態度を取ってくれるので助かります。でも、ある執行官は『財産差し押さえの際、向かった先の家に子供がいるとやりにくいですね』『現場では文句や罵声を浴びせられるし、ストレスで胃に穴が開きそうになりますよ』と本音も漏らしていました」(同)

「シッコウ!!」では織田裕二がそんな執行官をコミカルに演じているが、実際にはドラマ以上に大変な仕事のようだ。

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