自民党の小泉進次郎前環境相が、同じ神奈川県選出の菅義偉前首相による政策勉強会の早期発足に期待感を示した、との記事が11日の神奈川新聞で報じられた。
記事によれば、同氏は「ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギーの安定供給が焦点となる中、「(温室効果ガスを実質ゼロにする)カーボンニュートラルは一休みのようなことは、全く違うと思う」として、「今こそカーボンニュートラルだと、菅前首相には発信していただきたい」と前首相の勉強会発足を熱望。「政策を前に進めたいという純粋なものだと思う。私も全力で政策実現に共に汗をかきたい」と意欲を示したという。
ところが、連日ロシアによるウクライナ侵攻で、石炭火力発電などへの回帰を余儀なくされているのが実情だ。カーボンニュートラルの重要性が世間から忘れ去られぬように進次郎氏が釘を刺したわけだが、SNS上ではあまり理解は得られてないようだ。
いわく《たしかに環境は大事!でも、戦争中に環境とか……今いう発言じゃないんじゃない》《それって、世界中が大変な時ですが、僕だけはこの花を枯らさないようにしておきますので、皆さんがんばってください、ってこと?》《今はエコのことを考える前に、せめてウクライナの命のために出来ることを考えましょうよ》といったコメントが相次いだのだ。
小泉氏といえば、大臣就任当初から、記者会見などでKY迷言を連発。口の悪い政治部記者の間からは『ポエム大臣』と揶揄されていたが、
「有名なのが、2019年に開催された気候変動サミットでの『気候変動のような大きな問題は楽しく、クールで、セクシーに取り組むべきだ』という英語スピーチ。ところが、記者から真意を問われると『それをどういう意味かと説明すること自体がセクシーじゃないよね』と返答、海外メディアからも失笑が漏れました。さらに、温暖化サミット開催中にマンハッタンのステーキ屋を訪れた際には、『ステーキやっぱり食べたいですね。毎日でも食べたいね。毎日でも食べたいと言うことは毎日でも食べているというわけではないです』と発言。温暖化サミットに出かけて温室効果ガスが高いとされている牛肉を『毎日食べたい!』と主張するのは如何なものかと批判されると、『反省しているんです。ただこれは私の問題だと思うが反省していると言いながら、反省している色が見えないと言う指摘には、私自身の問題と反省している』と語り、またも世間を煙に巻きました。進次郎氏の発言は、一見もっともらしいことを言っているようで、よく聞くと何を言いたいのかさっぱりわからない。しかも、発言のタイミングがあまりにも悪すぎる。政治家は言葉と、それを発するタイミングが命。そこが進次郎氏最大の問題点だと思いますね」(政治ジャーナリスト)
おそらく、今回の”カーボンニュートラル”発言も、遅れている日本の脱炭素を何とかしたい、という思いがあればこその実直な発言だったのだろうが、いかんせんタイミングが悪かった。
レジ袋有料化の推進ですっかり人気が低下した進次郎氏。受難はまだしばらく続きそうだ。
(灯倫太郎)