加藤勝信元官房長官「ポスト岸田候補」急浮上の裏にあった菅・二階グループの「岸田下ろし」

 自民党の加藤勝信元官房長官が「ポスト岸田」に向け、9月の総裁選に出馬する意向で本格的に動き始めた。自民党関係者が言う。

「6月6日夜、都内の寿司店で開かれた会合には、菅義偉元首相を中心に、加藤氏、萩生田光一元文部科学相、武田良太元総務相のHKTトリオに加え、小泉進次郎元環境相も参加しています。この会合は、加藤氏が5月16日にインターネット番組などで次期総裁選出馬について前向きな発言をしていたこともあり、多くの関係者が加藤氏の総裁選出馬への号砲と見ていますね」

 加藤氏といえば、菅内閣時の官房長官であり、厚労相も長年務めてきた。ポスト岸田の資格は十分と言えそうだが、「加藤擁立」の背景には複雑な思惑もあるという。

「寿司屋での会合を主催した形の菅氏は、二階俊博元幹事長とともに『反岸田勢力の両頭』と言われています。菅・二階グループは岸田氏を次の総裁選で破ることになみなみならぬ執念をもっている。かといって、石破茂元幹事長では議員に人気がないため負けてしまう可能性がある。そこで加藤氏に白羽の矢が立ったのだと言われています」(前出・関係者)

 加藤氏擁立以外にも、表立って岸田批判を続ける菅氏は「岸田下ろし」に余念がないという。神奈川県議が明かす。

「6月4日に開かれた自民党横浜市連の定期大会で同連の佐藤茂会長が、『政治資金規正法改正案成立のメドがついた今、トップの総裁自らが責任を取り、身を引く苦渋の決断をしていただきたい。総裁選で強いリーダーシップの新進気鋭の総裁を選び、変革の証を国民に示さなければならない』などと話し、公然と岸田退陣を迫った。横浜は菅氏のお膝元で、この日の会合には小泉氏も参加していただけに、関係者は岸田下ろしがついに始まったと見ています」

 同様の岸田退陣要請は横浜市だけではない。翌5日に行われた青森市での「政治刷新車座対話」の席でも、県連側から出席した小渕優子選対委員長に岸田氏の総裁交代を求める声が相次いだという。

「当然、岸田氏も黙ってはいない。国会終了後に思い切った内閣改造を行い、まさかの電撃訪朝も含めて、なりふり構わぬ支持率アップを画策しているようです」(前出・関係者)

 今後も様々な憶測や情報が飛び交うことだろう。9月の総裁選から目が離せないのである。

(田村建光)

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