甲子園でルール違反の「あと1球」コール、矢野監督の対応にも巨人ファン苦言

 阪神タイガースの公式サイトでは球場内の禁止事項として「応援歌の合唱、声を張り上げての応援など」を挙げている。にもかかわらず、4月15日からの対巨人3連戦において、「あと1球コール」が球場内に鳴り響き、プロ野球ファンから大ヒンシュクをかっている。

「4月15日は4対1で迎えた9回、マウンドにあがった岩崎優が走者1人を出すも0点で抑えて初セーブを挙げました。2アウトになり、巨人のウィーラー選手が打席に立つと、『あと1人』『あと1球』コールが球場内に響き渡り、SNSでは《声だし禁止のルールは?》《完全試合でも静まり返っていたロッテファンを見習え》《せめてアナウンスで静かにさせなよ》といった苦言が続々とアップされました」(スポーツライター)

 4月16日の阪神・巨人戦は1点差を争う好ゲームとなった。9回表、前日にセーブを挙げた左の岩崎優が再びマウンドへ。2アウト一塁の場面で、打者は廣岡大志。球場内にはメガホンを打ち鳴らす音に合わせて、またもや「あと1人コール」の大歓声。2ストライクになると、「あと1球」の大歓声がこだました。結果はサードゴロでゲームセットとなり、阪神が3勝目を挙げた。

 これには元メジャーリーガーで、巨人で現役生活を終えた上原浩治氏も反応。Twitterでここ数日内に日米の野球界で起きた珍事を列挙して、その中で《声出し禁止の中、あと一球コール…》とチクリ。《今度はどんなことが起きるかなぁ〜》とつづった。

 阪神の矢野燿大監督は、試合後のインタビューで、甲子園球場に4万人以上のファンが駆けつけたことについて、こう語った。

「満員の甲子園、本当に気持ちいい中で野球をやらせてもらえて本当に感謝してます。波を作っていこうと、大きな渦となって、チームで波を作っていこうという話を昨日もしたんですけど、その中にはみなさんの大きなパワーが僕らのビッグウェーブにつながると思うんでね。これからも球場でもテレビの前でも応援してもらえたら、僕たちに力が届くと思うのでどうかよろしくお願いします」

 4月16日に発表された兵庫県の新型コロナ新規感染者数は2040人。前週より208人増えており、従来のオミクロン株よりも感染力の強い「BA・2」の広がりも懸念される。そんな中で、ルール違反のコールにはいっさい触れなかったことで、巨人ファンと思われるSNSユーザーからは《監督が煽ってどうすんの?》《明日も大きな声援が飛びかいそう…》といった声があがった。

「一部の巨人ファンが激怒しているのは、野球中継に映った矢野監督のベンチでの反応。球場内に『あと1球コール』に包まれる中、あろうことか、コールに合わせて上体を前後に揺らしているように見えました。『あと1球』のリズムにノッていたことから、球場では御法度の声援をまったく気にしていないことがわかりました」(スポーツライター)

 4月17日の試合では巨人に敗れ、3タテとはいかなかったが、球場の歓声がまったく気にならないような、コロナなき世界の到来を願ってやまない。

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