自民党「女性総裁」成り上がり争奪戦(1)「上川総理待望論」の舞台裏

 昭和は遠くなりにけり。実に6億円超の裏金を秘匿した安倍派のほか、岸田派、二階派と、相次いで解散を決めた。昭和の遺物・派閥政治が終焉を迎える中、最悪の低支持率を挽回すべく岸田政権の下、逆風を打ち破る“窮余の一策”として「女性総理」がにわかに現実味を帯びてきた。永田町オンナ相関図を独占公開する。

 岸田文雄総理(66)の独断専行による宏池会(岸田派)解散で、“派閥解散ドミノ”が始まった。2月2日現在、旧安倍派、二階派、森山派がそれに追従する一方で、麻生派は政策集団へ移行して存続、離脱者が続出する茂木派も同様に形を変えての存続を模索している。ただ、対応はバラバラだが、党の至上命題が政権の維持にあることは一致しているという。ジャーナリストの鈴木哲夫氏が解説する。

「岸田総理はまだまだ総理の座を譲るつもりはなく、減税をはじめ支持率回復の策を打つ構えで、国民に信を問うべく衆院解散も視野に入れています。それでも党内では、政権維持のためにはいつまでも総理の席に据えておけない、と“岸田おろし”の声も上がり始めている。今年9月の総裁選、そしてポスト岸田を考えた時に浮上してくるのが、『史上初の女性総理』というキーワードなんです」

 選挙区での地盤が弱い議員にとっても、党のイメージ悪化は死活問題で、不人気な岸田総理にはいち早く退場を願う風向きになっているのだ。

 ならば国内外に聞こえがいい史上初の「女性総理」こそが、大きな刷新のチャンスとなる!? そんな思惑が交錯する中、その筆頭候補に浮上しているのが、上川陽子外相(70)である。

 上川外相はこれまで福田・安倍・菅・岸田政権で入閣しており、実務能力は折り紙付き。法相時代にはオウム真理教元幹部13人の死刑を執行し、現在に至るまで24時間体制で警備が付いていることでも有名だ。永田町関係者が語る。

「上川さんは旧岸田派の議員でしたが、麻生太郎副総裁(83)も、オウム関連の仕事を見て『肝の据わった女だ』と評価している。林芳正前外相(63)の退任の際、後任人事を相談しに来た岸田総理に対し、『上川がいるじゃないか』と言ったのは麻生さん。まったく想定していなかった岸田総理は『え!?』と驚いていた」

 上川外相を「美人じゃない」「このおばさん」と口を滑らせて叩かれたが、これも単なる麻生副総裁のいつもの失言癖に過ぎず、むしろ本人は発言撤回後に「上川の名前を売ってやった」とほくそ笑んだとか。鈴木氏が続ける。

「上川外相は旧岸田派でありながら『私は菅グループ』と言うほど、菅義偉元総理(75)と距離が近い。つまり“キングメーカー”としてバチバチの関係にあるはずの麻生・菅、そして影響力を残せるという意味で岸田総理と、三方の大物にとって都合がいい存在なんです」

 党内には早くも「上川待望論」が巻き起こっているという。ジャーナリストの山村明義氏いわく、

「今回の派閥解消で最も恩恵を受けた女性議員は上川外相だと思いますね。旧岸田派と麻生派の女性議員はベテラン、中堅どころが、軒並み上川外相の支持に回っているようです」

 突如勃発した「女性総理争奪レース」のポールポジションは揺るぎないようだが‥‥。

【2】「高市早苗氏は『抜群の集金力』が武器に」につづく

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