5月10日、米Amazonは「ブランド・プロテクション・レポート」を発表。詐欺や不正出品を防止するため7億円以上の投資をして1万人以上を雇用し、偽造品の疑いのある100億件以上の商品の出品を防ぎ、200万点以上の偽造品を検出して廃棄したことを明らかにした。
「同社は2000年から外部の業者が商品を販売できる『マーケットプレイス』の展開を本格的にスタートさせました。現在、世界十数カ国で600万社以上が参加しており、Amazonで販売される商品の半数以上を占めるようになったのです。しかし、『マーケットプレイス』に参加する業者が増えたことでここ数年は偽造品や模造品の出品も急増するようになってしまい、Amazonは米通商代表部から悪質な商品の販売や販売の手助けをしているとして2019年と20年の2年連続で『悪質市場』に指定されているのです」(経済ジャーナリスト)
日本のAmazonでも偽造品や模造品の出品が問題されている。日本版サイトで多く見られるのは中国製のもので、つたない日本語で商品紹介がされており、怪しい日本語の高評価レビューが多く寄せられているのが特徴となっている。こうした商品を出品している多くはやはり中国の業者と言われ、中国のECサイトで格安の粗悪品を大量に仕入れAmazon.co.jpの「マーケットプレイス」で売り捌いているとされるのだ。
「Amazonは悪質商品への対策をおこなっていることを強調していますが、いまだに中国系の怪しい商品が大量に検索結果に引っかかってくるのが現状です。こうした業者はAmazonから不正の認定をされてもすぐに名前を変えて新たに出店してくるためイタチごっこ状態となっており、なかなか壊滅できないのが実情。偽造品や模造品の出品を減らすためには悪質業者が簡単に『マーケットプレイス』で出店できなくなるような仕組みを作ることが必要だと思われます」(経済ジャーナリスト)
利用者側も、安いからと即、商品に飛びつくことは避けるべきだろう。
(小林洋三)