横浜市戸塚区のアパート2階の部屋で飼育されていた、アミメニシキヘビが逃走してからはや2週間。連日、警察や消防、横浜市動物愛護センター職員らによる捜索が続くも、全長約3・5メートル、重量約13キロという、その目立ちすぎる姿は、未だ確認されていない。
そんなこともあり、騒動を伝える各メディアも捜査状況だけでは尺が持たない、と最近では周辺取材にシフト。たとえば、18日付の日刊スポーツでは「3・5メートルのヘビの目撃情報すらないのが不思議です。誰かに盗まれた可能性が高いと思う」(20代の男子大学生)、「道にいたヘビを車で盗んだのかな。誰かが飼っているならもう出てこない」(30代の女性)といった、周辺住民の談話を掲載。所轄署も「可能性がないとは言い切れません」とコメントしたことで、 すでに遠距離へ逃亡した可能性があることを示唆した。
一方、翌19日のテレビ朝日系(ANN)ニュースでは、「マンションの天井板がはがれて屋根裏から不審な音がした」という、かつて飼い主が住んでいたアパート住人の証言を放送。ニシキヘビの生態に詳しい動物園園長のコメントとして、「ヘビが関与しているとすれば、(天井の)内側をはったので、その重みではがれたと考えるのが必然」「いまだヘビが建物内に潜んでいる可能性が高い」と、ヘビはまだ身近にいる、という見解を示した。
とはいえ、目撃情報すらない苛立ちもあるのだろう、地域住民の間からは、相反する報道に「憶測で報道するのはやめてほしい」「いったいどっちが本当なんだ!」との批判が続出。
ワイドショー関係者が語る。
「正直、ヘビについては新しい情報がなく、完全にネタ切れといっていい状態です。ただ各社とも、ヘビが確保されたときの『特オチ』だけは避けたい。そのため、捜査隊に同行するなどして、なんとか膨らみそうなネタを探して報道している、という状態が続いています」
飼い主の談話を掲載した「週刊女性PRIME」(16日配信)によれば、飼い主がこのニシキヘビに与えていたエサは冷凍のラット(ドブネズミ)で《生き物丸ごとなので栄養価がある。内臓もあるし骨もあり、カルシウム、ビタミンなどバランスがとれます》として《1か月に1度、1匹丸のみするだけで数か月は腹が持つ》という飼い主のコメントを紹介している。
逃走したヘビは推定年齢3歳7カ月。ニシキヘビは生育環境により、40年近く生きることもあるため、確保できなければ、地域住民はこの先も長期にわたって不安な日々を送る可能性もあるというわけだ。
前出のワイドショー関係者が語る。
「捜索が続けられている以上、我々も伝えなければなりませんが、地域住民も相当ナーバスになっていますからね。噂話や憶測などを挟むと、すぐに局にはお叱りの電話やメールが来る。とはいえ、新しいネタはなかなか見つからない。ただ、仮にヘビの攻撃で人が亡くなったり怪我をした場合、飼い主さんは重過失致傷罪に問われる公算が高く、そうなれば5年以下の懲役か禁固、または50万円以下の罰金が科せられますからね。そうならないためにも、とにかく一にも早い確保を願うばかりです」
現在、戸塚消防署の職員は187人。10日から16日まで延べ131人がヘビの捜索に当たり、それとは別に地元消防団など延べ300人以上が連日、逃げたヘビの行方を追っていたが、21日夕方に打ち切られた。
地域住民が枕を高くして眠れる日が来ることを願いたい。
(灯倫太郎)