Amazonの最高経営責任者ジェフ・ベゾス氏は株主に宛てた年次書簡の中で、サブスクリプションサービス「Amazonプライム」の会員数が世界で2億人を突破していたことを明らかにした。これを受けて同社の2020年の純利益は213億ドル(約2兆3200億円)に達したというが、「Amazonプライム」がここまで支持を集める理由は一体どこにあるのだろうか。
「19年第4四半期の報告ではプライム会員数は1億5000万人でしたから、20年はコロナによるお家時間の増加によって新たに5000万人が加入した計算になります。なお、『Netflix』の会員数は約2億400万人なので、それに次ぐ会員数の多さということになります」(経済ジャーナリスト)
ちなみに、調査会社のスパコロが国内の10代~50代の7241人を対象に、利用する動画配信サービスについてアンケートを取ったところ、「Amazonプライム」のサービスのひとつである「プライムビデオ」が23.3%で「Netflix」の9.1%を大きく上回り断トツの1位だったことが判明している。
ここまで同サービスが支持を集めることにネット上では、《動画見放題、音楽聴き放題、写真保存し放題、送料無料などなど。それで月額500円だから利用しないわけがない》《プライムはすべてのサービスにおいてクオリティが高い》《写真のバックアップも圧縮なしで無制限だからね》などの意見が見られた。
「『Amazonプライム』は税込で月額500円、年額プラン4900円という価格で数多くのサービスが受けられることが人気の秘訣であることは間違いありません。加えて、『Amazonプライム』が支持されるもうひとつの理由として、サブスクの先駆者であるという点も見逃せません。サブスクはここ数年で一気に急増し、今や当たり前のサービスとなりましたが、Amazonではアメリカで2005年、日本でも2007年にはすでに開始しており、15年以上の歴史を持っている。その中で付加サービスを増やし続け顧客のメリットを追求し続けていたといいますから、満足度が高く解約が非常に少ないというのも納得です」(経済ジャーナリスト)
今後もまだまだ会員数は右肩上がりに増えていきそうだが、手放せなくなったところでの値上げだけは勘弁して欲しいものだ。
(小林洋三)