Amazon傘下会社が販売「カメラ付きデバイス」が寝室や浴室を「閲覧」していた!

 5月31日、米Amazon傘下の「Ring」が、顧客のプライベート映像を「閲覧」していたとして米連邦取引委員会(FTC)から訴えられていた件で、580万ドル(約8億円)を支払って和解したことが明らかになった。

「FTCは、Ringが業務に必要がない場合でも従業員が顧客のカメラにアクセスし、プライバシーを侵害したとして提訴していました。『のぞき見』の具体例としては、ある従業員が81人の女性顧客の寝室や浴室などに設置していたカメラ付きデバイスの映像数千件を、2017年6月から8月までの2カ月間で数百回、1日に1時間以上閲覧していたといいます」(フリージャーナリスト)

 この行為は同僚からの告発によって明らかとなり、従業員はすでに解雇されている。また、「のぞき見」はAmazonによる買収前の事案だった。

「Ring側は和解金の支払いを認めつつも、『法律違反をおかしたとするFTCの主張には同意しない』と反論し、イノベーションに集中するために問題を解決した、と説明しています。しかし、親会社であるAmazonも同日に、スマートスピーカー『Alexa』と話した子どもたちの音声や位置情報を保管し、児童オンラインプライバシー法に違反したとする米司法省とFTCからの訴えに対して、2500万ドル(約35億円)の支払いに同意しています。Amazonは、AlexaのAIのアルゴリズム(計算手順)の改善のために収集した声や位置情報を利用していたとされており、AIの開発競争が激化する中、FTCは顧客のプライバシーの扱いに関してより慎重を期すよう警告を発したと言えますね」(前出・ジャーナリスト)

 4月には大手電気自動車メーカー「テスラ」の社員が、車載カメラの映像をのぞき見していたことも報じられた。

 顧客情報の漏洩や流出が問題視される昨今だが、加えて今回の「のぞき見」…。あらためて徹底した顧客情報の管理が求められるのである。

(小林洋三)

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