昨年のペナント閉幕直前に1年間の契約延長を勝ち取ったDeNAのアレックス・ラミレス監督(46)は、今季限りでの退任が決定的だ。
「起用法を巡り主力選手との間に溝も深く、残留となれば梶谷隆幸(32)のFA流出をはじめとして、チームがガタつくこと必至です。後任は『ハマの番長』こと三浦大輔2軍監督(46)が既定路線。本人も新人の指導を見越して、学生野球を視察したりして就任に向けヤル気をみなぎらせています」(DeNA番記者)
ところが、球団内部にはさまざまな思惑があるようで、番長登板が先延ばしになる可能性が出ているという。
「『8番・投手』などの奇策が目立つラミレス監督の下では監督としての帝王学は学べない。監督就任は時期尚早との声が出ています。そのためにもう1~2年、別の監督の下に置こうというのです。実績十分の落合博満氏(66)や人気先行の中畑清前監督(66)など、複数の候補が挙がっています」(球団関係者)
ここ数年はAクラス常連だったDeNAだが、今季のチーム状況は決していいとは言えない。特に投手陣が心もとなく、ローテの柱だった平良拳太郎(25)と今永昇太(27)が相次いで8月に負傷離脱。今永は10月に入って左肩を手術、東克樹(24)もトミー・ジョン手術からの復帰待ちでともに見通しが立っていない。深刻な不振を極めて守護神のポジションをはく奪された山﨑康晃(28)は10月8日付でとうとう登録抹消となった。
「来季、1軍監督経験のない三浦2軍監督が指揮し、この不安な戦力のままBクラスに沈んだら、球団のレジェンドの顔に泥を塗ることになる。ならばワンクッションおいて、百戦錬磨の落合氏や中畑さんの下で学んでほしい、ということです。一見、球団と接点のない落合氏ですが、以前から自身の講演会などで、中日よりもDeNAのことについて熱心に語るなど、売り込みに腐心していました。打診すればまず断らない。勝手知ったる中畑さんは言わずもがなです」(球団関係者)
いずれにせよ今年限りでチームを出るラミレス監督だが、実は複数の球団から熱視線が送られていた。パ・リーグ関係者が水面下での争奪戦を明かす。
「まずは楽天。石井一久GM(47)は19年に生え抜きの平石洋介前監督(40)=現ソフトバンク1軍打撃兼野手総合コーチ=を『優勝できなければ3位もBクラスも一緒』とクビにした経緯がある。三木肇監督(43)は石井GMにとってヤクルト時代の同僚という『お友達人事』ですが、今季の楽天はどうあがいても3位が関の山。後釜がラミレスなら話題性も抜群です」
早くも“再就職活動”に注目が集まりそうだ。