DeNAを変えた!三浦大輔監督「侠気語録」(3)番記者たちも慌てふためき

 守護神の山﨑康晃(29)も完全復活した。コロナ禍以降の2年間は守護神の座を明け渡すなどスランプに陥っていたが、今季は開幕からほぼ定位置に座り、セーブ王争いを繰り広げている。大魔神・佐々木を超える29歳10カ月で史上最年少200セーブにも到達した。

「山﨑はコロナ禍で開幕が大幅に遅れた20年シーズンでコンディション調整に失敗し、体重増で持ち味のツーシームにキレがなくなっていた。それが、同じ帝京高校野球部OBの先輩・石橋貴明から『痩せろ!』と厳命され、必死のダイエットで本来の状態を取り戻し『貴明先輩のおかげです』とまで公言しています。半ばリップサービスでしょうが、彼にとって今の最大のモチベーションはメジャー移籍です。すでに球団側には将来的な挑戦意思は伝えており、機が熟せば話し合うことになっている。ア・リーグ球団のスカウトも今季の山﨑について『本来の力を取り戻しただけでなく近年のスランプを克服したことで苦しい展開でも動じず乗り切れる術を身につけ、以前よりも投球の幅が広がった』と高い評価を与えていますからね」(球界関係者)

 海外FA権取得は順調にいけば来シーズン中。山﨑としては今オフ、チームをリーグ優勝か日本一へと導いて、球団側の了承を得てポスティングシステムで海を渡るシナリオを描いているようだ。

 打っては4番を任される2年目の主砲・牧秀悟(24)の暴れっぷりも目覚ましい。首位打者争いを繰り広げる佐野、堅実な打撃が売りの宮﨑とのクリーンアップで強力打線を引っ張っている。

「牧は人一倍打撃練習に励んでおり、まさに練習の虫です。それに触発され、他の選手たちも『牧に負けられるか』と、これまで以上に練習するようになった。『12球団の中でも練習量が少ない』と言われていたチームの流れを牧が変えたと思います」(横浜OB)

 ところで、ミラクルVへのムードが高まる一方、チーム周辺では〝異変〟も起こっている。長らく「優勝」とは無縁だった各メディアのベイスターズ番記者たちがあたふたと慌て始めているのだ。

「優勝するとなるとテレビ、新聞ともに大きく扱わなければならなくなるので番記者は必然的に忙しくなる。ましてや24年ぶりともなれば、世の中の注目度も高いですからね。『今年もBクラスだな』とのんびり構えていた番記者が大半でしたが、8月の快進撃で急にソワソワし始めています。多忙な取材に不慣れな番記者の間からは『頼むから優勝しないでくれ』と冗談とも本気とも取れるようなグチまで飛び出しているほどです」(スポーツ紙記者)

 もちろんDeNAは9月に前代未聞とも言える「地獄の27試合」が組まれており、首位に大接近しているとはいえ、まだまだ険しい道は続く。それでも三浦監督が掲げる今季のチームスローガン「横浜反撃」は奇跡のリーグ優勝、そして日本一を成し遂げて結実の日を迎えるのだろうか。

*「週刊アサヒ芸能」9月8日号掲載

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