5月9日の対DeNA戦で、8回3失点124球の熱投を見せたトレーバー・バウアー。試合もDeNAが9回サヨナラ勝ち。DeNA担当記者も興奮気味に振り返る。
「勝利を呼び込んだのはバウアーの熱投効果と言えるでしょう。この試合で早くも120球超えの登板が3度目ですよ。球数とか細かく刻む日本の投手陣は見習ってほしいくらいです」
バウアーは23年シーズン以来、2年ぶりの横浜復帰だったが、
「DeNAとの契約は年俸推定9億円。昨季まで投げていたメキシコリーグからは10億円以上のオファーをもらっていたといいますが、あえてDeNAとの契約を決めた」(前出・記者)
その理由は明快だ。バウアーには「DeNAからMLBへの復帰」という野望があるという。
「バウアーは、2021年のドジャース時代に、性的暴行容疑で複数の女性から訴えられています。不起訴処分にはなりましたが、MLBでは今も『不良投手』のレッテルが貼られたまま。そんな中、DeNAで最高の結果を出すことで、なんとかMLBへの道を切り開きたいという思いを持っているのです」(前出・記者)
バウアーのMLB復帰への願望は、DeNAでも織り込み済みのようで、両者は今回も単年契約しか結んでいない。
「バウアーは来日早々、日本の投手部門で最高の栄誉である『沢村賞を獲る』と宣言しました。彼は2020年にMLBでのシーズン最高の投手が獲得する『サイ・ヤング賞』を受賞しています。日米でそれぞれ最高の投手の称号を得られれば、バウアーが史上初。MLBに自身の実力を見せつける好材料となるはずです」(民放局野球担当ディレクター)
MLB復帰をかけて、今後も100球超えの熱投は続けられるだろう。
(小田龍司)