DeNA度会隆輝が三浦監督の「生え抜きOB指導」とフロント主導「データ野球」の間で“板挟み”

 開幕2カード連続で勝ち越しているDeNA。2000年以来24年ぶりという好ダッシュとなったが、その原動力の一人がドラフト1位の度会隆輝外野手といっていい。
 
 開幕前の「打てる1番打者になる」という公約通り、度会は広島との開幕戦(3月29日・横浜)で球団新人としては15年ぶりの開幕1番スタメン出場。プロ初安打が12球団1号というド派手なデビューを果たした。2戦目には第1打席で頭部死球を受けながらも出塁。二塁への初盗塁をきめ、さらにはセ・リーグ新人で史上初の開幕2戦連続アーチという離れ業をやってのけた。
 
 そんな活躍ぶりに三浦大輔監督も「打ちます!と言って本当に打ってくれた」とにんまりだったのだが、続く阪神3連戦では12打数1安打(2四球)と完璧に封じられた。

「阪神はこの3連戦で負け越しましたが、度会を徹底的マークしていました。インコース攻め、それもインハイのボールを多投し、度会もそれに苦慮していたのは明らか。4月5日からの巨人戦が見ものです」(阪神担当記者)

 実はDeNAでは、今季からオフェンスコーチを新設している。

「AIにも詳しいゲームアナリスト(分析担当)だった靏岡賢二郎(つるおか・けんじろう)氏を、1軍チーフコーチとして入閣させました。それもヘッドコーチ格での大抜擢。ただ、これはDeNA本社による人事なんです。三浦監督はこれまで多くの打者を育ててきた石井琢朗チーフ打撃兼走塁コーチら“生え抜き”を入閣させてきましたが、それでは勝てないとフロントが判断したコーチ陣の組閣でした。当然、三浦監督としては面白くない」(夕刊紙記者)

 プロで実績をあげてきた生え抜きOBと、データー重視で作戦をたてようとするDeNAフロントとの“軋轢”は、開幕前から予想されていた。華々しいデビューとなった度会がこのまま打てなくなれば、両者の“板挟み”になることは必至。好スタートを切ったDeNAの思わぬ落とし穴になりかねない。

(小田龍司)

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