4月10日に横浜スタジアムで行われた「DeNA-中日」戦で、とんでもない“誤審”が発生し、野球ファンをザワつかせた。
問題の判定は1回表、中日・高橋周平の打席で起きた。1死一塁の場面で高橋が放った打球はセカンドゴロ。DeNAの牧秀悟がキャッチし、2-6-3のゲッツーが成立した。ところが一塁のオースティンの足がベースから大きく離れていたため、解説者から「あれ? 今、一塁塁審アウトっていいました? えっ、今のは結構、酷かった」と疑問の声が上がることに。実際、リプレーを見るとオースティンの足が数十センチもベースから離れており、解説者も「なんか約束あるんかな早く帰らなあかん」と笑うしかなかった。
この日の塁審は50歳の津川力審判員。1991年のドラフトでヤクルトから4位指名を受け入団し、92年にイースタンリーグで首位打者を獲得したものの、一軍での出場機会はほとんど得られず、99年に戦力外通告を受けた。その後、パ・リーグの審判部に入局し、着々と経験を積み、昨年は史上73人目の通算2000試合出場を達成した。
「クロスプレーならまだしも、完全に足が離れているのですから、明らかな誤審といえるでしょう。津川審判員は審判部では副部長に当たる“クルーチーフ”という重要な役職です。そのようなベテランが初歩的なミスをするのはかなりのレアケースですね。立浪和義監督のリクエストでリプレー検証が行われ、判定はセーフに覆りましたが、中日ファンも怒りより思わず笑ってしまったんじゃないでしょうか」(スポーツライター)
実は津川審判員は2018年8月9日の「広島-中日」戦でもやらかしていた。広島・鈴木誠也の打席、3ボール2ストライクの場面で、中日の笠原が投じた8球目の内角球を「ボール」と判定。本来であれば四球のはずが、試合はそのまま進行し、9球目はファウルとなり、10球目が二ゴロになった。「僕の勘違い。他の人に言われて気づきました」と申し訳なさそうに話す津川審判員だったが、めったに見られない“珍プレー”だろう。
誰にでも間違いはあるとはいえ、津川審判は今頃バツの悪い思いをしていることだろう。
(ケン高田)