永江朗「ベストセラーを読み解く」村上春樹の新訳で蘇った男女の三角関係を描いた名作
82年「悲しき酒場の唄」(白水社・西田実訳)として親しまれてきた名作が、村上春樹の新訳に山本容子の銅版画を添えてアップデートされた。カーソン・マッカラーズは現代アメリカ文学の伝説的な作家で、1917...
82年「悲しき酒場の唄」(白水社・西田実訳)として親しまれてきた名作が、村上春樹の新訳に山本容子の銅版画を添えてアップデートされた。カーソン・マッカラーズは現代アメリカ文学の伝説的な作家で、1917...
杉作J太郎とは何者なのか。漫画家、編集者、エッセイスト、放送作家、映画監督、俳優。元芸人で元ラッパーでもある。 最近はさらに新たな肩書が加わった。ラジオDJである。故郷、四国の松山に帰り、地元の...
わかりにくいタイトルかもしれない。副題の「日本列島に延びる中露朝の核の影」が本書のポイントを表している。 手嶋龍一と瀬下政行による国際関係をめぐる対談である。手嶋龍一は外交ジャーナリストで作家。...
言ってはいけないこと、書いてはいけないことが増えている。ただし、傷ついたり不利益をこうむったりした当事者が抗議してくることは稀で、たいていは第三者、つまり赤の他人が「不適切だ」と言いつのる。しかも匿...
「百年の孤独」がバカ売れしている。もちろん焼酎ではなく、G・ガルシア=マルケスの長編小説の文庫版である。 冷静に考えると奇妙なことだ。たしかに20世紀世界文学の最高傑作と言われる。原著は1967年...
この小説は戦国時代の「ミッション:インポッシブル」だ! 舞台は戦国時代も終わりに近づいた永禄12年(1569年)。織田信長は上洛し、天下統一への歩みを着実に進めている。 信長にとっていま必要...
自民党総裁選のポスターを見て愕然とした。目立つ位置に田中角栄と安倍晋三の写真が使われている。田中は金権政治の代名詞。安倍は政治資金パーティー問題の火元となった派閥の領袖。こんな写真を恥ずかしげもなく...
本書は京極夏彦の小説家デビュー30周年を飾る長編ミステリーである。しかも「葉不見冥府路行」という副題が示すように、歌舞伎のために書き下ろされたもの。松本幸四郎や中村勘九郎、中村七之助によって、8月、...
大森兄弟はその名の通り、兄弟で創作する小説家コンビである。文学界の狩人、あるいはブレッド&バターと呼びたい。 本書は「桃太郎」を題材にした長編小説である。しかし、タイトルに反して、あまりおめでた...
直球のノンフィクションである。内容はタイトル通り。力道山の妻、田中敬子の人生を丁寧に描く。 田中敬子はごく普通の家庭に生まれた。父親は警察官。中学生の時は健康優良児。神奈川県代表に選ばれ、高校2...