ファミレスといえば、その多くは全国、または複数の地域に広域展開するチェーンだが、なかには特定の地域でしか見かけないローカルファミレスもある。例えば、看板メニューのハンバーグが今や全国区の人気と知名度を誇る静岡の「さわやか」は、全34店舗はいずれも県内のみ。同じくハンバーグやステーキを中心とした北海道の「ヴィクトリアステーション」も全28店舗はすべて道内だ。
そんな“県外不出”のファミレスは新潟にも存在する。和食ファミレスの「くいどころ里味」だ。1号店となる見附本店がオープンしたのは1974年10月。創業当初はドライブインという扱いだったが、いつしかファミスと認識されるようになり、現在は新潟市など県内各地に19店舗を展開。新潟県内にあるファミレスではガスト(22店舗)に次ぐ規模だ。
店内は和のテイストを基調とした落ち着いた雰囲気。特に小上がりの座敷席は半個室になっており、周りのお客を気にせず食事を楽しむことができる。
人気メニューは、つなぎに布海苔を使った新潟の郷土料理の「へぎそば」(税込990円)。ツルツルとした食感とのど越しの良さに加え、ほのかな磯の風味がなんともたまらない。
複数人でのシェア用の「大へぎそば」(2970円)、「中へぎそば」(1980円)もあり、さらにセットメニューも充実。この他、卵でとじずに甘辛い醤油だれにカツを潜らせた新潟のご当地カツ丼「たれかつ丼」(1265円)もある。
ちなみに記者が来店時に食べたのは、ハーフサイズのへぎそばも付いた「たれかつ丼そばセット」(1650円)。楕円形サイズの3枚のカツが丼ぶりの上で乗っており、食べ応えは十分。ボリュームはあるがあっさりした味わいなので食べやすい。へぎそばとの相性も抜群だ。
地元の名物料理を味わえるのはローカルファミレスならでは。県外から訪れた方にはオススメだ。
(高島昌俊)