J1横浜F・マリノスに激震が走った。アマチュア時代からチームにかかわり、2007年から18年間にわたりGK部門を支えてきた、元日本代表GKでGKコーチの松永成立氏の退団が、一部スポー
今季、横浜F・マリノスはクラブ史上最悪とも言える状況に陥っている。リーグ最下位に沈み、創設33年目にして初のJ2降格が現実味を帯びてきた。5月25日の鹿島戦(日産スタジアム)では3-1で勝利し、リーグ連敗を「7」で止めたが、もしこの試合で敗れていれば、今月昇格したばかりのキスノーボ監督の更迭論が一気に加速していたという。
「鹿島戦に勝ったとはいえ、フロントと選手の間には意思疎通がほとんどなく、バラバラの状態。チームの一体感は失われています。フロント内では『次は日本人か、また外国人監督か』という話も出ていたそうです」(古参のサッカー記者)
そんな混乱の中、アシスタントコーチ兼アカデミー育成部長だった安達亮氏のJ2カターレ富山監督就任があっさり決まるという、異例の動きも起こった。
そして、今回明らかになった松永コーチの退団。クラブのレジェンドとも言える存在の離脱には、「親会社・日産の業績不振に伴う“実績作り”の一環として、フロントがスケープゴートにしたのでは」といった声まで飛び交っている。
「松永コーチは、1995年に当時のフロントが招聘したアルゼンチン人のソラリ監督と真っ向から衝突したこともありましたが、マリノス愛は誰よりも強い人。今回のような扱いはあまりにも切ない」(同記者)
クラブ関係者も怒りをあらわにする。
「木村和司さんら、かつてのOBたちも今季は一切スタジアムに足を運んでくれません。松永さんの退団を聞いたら、怒り狂うと思いますよ」
現在62歳の松永氏は、静岡県浜松市にある実家の運送業に戻る可能性も取り沙汰されている。日本代表として「ドーハの悲劇」でゴールを守った松永氏。この退団劇はあまりにも寂しすぎる。
(小田龍司)