“全席禁煙”が影響?「サイゼリヤ」が不調の本当の原因とは?

 既存店売上高が11ヵ月連続で対前年比マイナスとなり、その不振ぶりが報じられているイタリアンレストランの「サイゼリヤ」。一説には、その苦境の原因に、昨年7月から開始した“全席禁煙”への動きによる客離れがあるとも言われるが、果たして本当のところはどうなのか。
 
「そもそも、今年9月までに全店舗で実施するという全席禁煙を打ち出す前から売上高は減少していることから、例えば“ちょい飲み客”が減少したことだけが原因ではないと思われます。『串カツ田中』など、禁煙にしたことで、むしろ客数が増えている例もある。となると、やはり人件費や食材価格の高騰がネックになっていると思われます。特にサイゼリヤは、多くの食材やワインをイタリアから直輸入しているため、円安傾向が続いていることも影響しているのでは」(経済評論家)

 ただし、サイゼリヤの場合は既存店客数も15カ月連続で前年割れしており、客離れが起きていることも事実だ。
 
「それは『サイゼリヤ』に限らず、ファミレス業界全体に言えることです。昨年末に発表されたリサーチ会社のマイボイスコムの調査によれば、ファミレスを『ほとんど利用しない』という人が35.9%で、利用頻度が減少傾向にあることが明らかになりました。その理由としては、回転寿司などの寿司専門店やステーキ専門店、とんかつ専門店、唐揚げ専門店などの専門系チェーンに客を奪われているとの見方があります」(外食産業専門記者)

 安くイタリアンが楽しめる庶民の味方だけに、奮起を期待したいところだ。

(小島洋三)

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