「父は私と話をしない」ヘンリー王子、警護裁判敗訴で言いたい放題に英国民ア然

 ヘンリー王子のBBCでのインタビュー発言をめぐり、今、英国が揺れに揺れている。

 2020年1月、王室高位メンバー離脱に伴う警備縮小を不服とし、警護の復活を求め内務省を訴えていたヘンリー王子とメーガン妃。しかし、今年4月、裁判所はこれを認めず、結果、ヘンリー王子側は5年間にわたる訴訟で敗訴することになった。

 そんなイライラが募る中、BBCの単独インタビューに応じ、苦渋の胸の内を語った王子。

「脅威は現実にある。私の家族の安全がいかに危険に晒されていたかが明らかになるとともに、背後に誰がいて、誰が決定しているのか。その事実は本当に衝撃的だ」

「これはすべて同じ組織がやっていることで、私の母を餌食にし、私たち家族の警護を解く活動を堂々と行い、今も引き続き私や妻、子どもたちに対する憎しみを煽り立てている」

 またロイヤルファミリーに対しても、

「もちろん、一部の家族は私があの本(回想録『Spare』)を書いたことを決して許さないだろうし、いろいろなことについて私を決して許すことはないでしょう。しかし、私は和解を望んでいるし、(彼らを)許している。私と家族の一部との間には非常に多くの意見の相違がある。だが、これ以上争いを続けるのは無意味だ。人生は貴重なものなのだから」

 と言いたい放題。これにはイギリス国民も思わず口をあんぐりで、「Daily Mail」日曜版の世論調査では、7割近くがサセックス公爵の称号を剥奪すべきだと回答したという。英王室に詳しいジャーナリストの話。

「このインタビューは、裁判に敗訴した数時間後に米カリフォルニア州モンテシートにある自宅付近の邸宅で行われたものですが、通常、王子のこの手の発言に対して、バッキンガム宮殿が改めてコメントを出すことはない。しかし、今回はことの重大さもあり珍しく『これらの問題はすべて裁判所によって何度も慎重に検討され、毎回同じ結論に達している』と声明を発表しています。ただ、それが、より世論を刺激する結果になったのかもしれませんね」

 放映直後からこのインタビューは、英国内で大きな物議を醸すことになるのだが、そんな中、公式サイトで以下のような声明を発表したのが英BBCだった。

「我々は、この件やその他の疑惑に対して適切に反論することができなかった。この件は最終的に内務省の責任であり、我々は内務省の見解を反映すべきだった」

「バッキンガム宮殿の様子を伝えるべきだった。我々は報道において期待されるジャーナリズムの基準を満たしていなかった」

 つまり、ヘンリー王子の一方的な発言を取り上げたことは不適切だったと認めたのである。

「英国ではこの話題で持ちきり。ヘンリー王子は病床にいる父・チャールズ国王に対について、『この警護問題があるため私と話をしない』としていますが、『The Times』では『(ヘンリー王子と話した)数時間以内にはニュースの特番で取り上げられる。それがわかっているのに、プライベートでデリケートな会話ができるはずがない』という関係者談話を紹介しています。確かに、そんな息子に大切な話などできるはずがありませんからね。ギクシャクした関係はまだしばらく続きそうです」(同)

「口は禍の元」。今回もまたそんな言葉を痛感させる大騒動となってしまったようだ。

(灯倫太郎)

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