2020年1月の王室離脱を受け、王族・要人警備執行委員会(RAVEC)から、国費での警護対象を外されたヘンリー王子が、これを不服として英内務省を提訴。しかし、昨年2月には高等法院が王子の申し立てを退け、王子側が控訴。その審理が現地時間の4月8日から2日間にわたり、ロンドンの控訴裁判所で行われた。
今回の審理で王子側の弁護団は、RAVECが「セレブや要人に分類される人々に提供されるべき保護から除外したことは不当」と主張。RAVECには、チャールズ国王の側近など王室メンバーが含まれているため、「警護体制のはく奪は、王子一家を支配し王室復帰を強いる計算ずくの行動」だとして激しく非難した。英王室ウォッチャーの話。
「審理は非公開で行われたものの、英メディアの報道によれば、王子は退廷する際、『隠蔽されていることが明らかになれば、人々は衝撃を受けるはず』と意味深な言葉を残して、姿を消したのだとか。この言葉が何を意味しているかはわかりませんが、王子としては、警護体制回復のため、なんとか父である国王に動いてもらいたいと思っていた。ただ、昨年2月に国王ががんを公表した際も30分程度面会しただけで、以来はまったく会話できない状況にあるようですからね。そんなことから、国王自身も今回の警備対象除外問題に巻き込まれないよう、意図的に距離を置いているのでは、とも伝えられています」
王室を離脱前、王子とメーガン妃は故エリザベス女王に対し、王室離脱後もイギリス連邦のいずれかの国で暮らし、王室の代表としての仕事を続けるとしていたが、その後の王室主要メンバーによる協議を経て、自身が警護の対象ではなくなることを知らされた王子は激怒したという。
「2023年に行われた別の審理では、エリザベス女王が当時の閣僚に充てた手紙が提出され、そこには『王子夫妻が過激派の標的にされていたことを示す記録がある。警護の実施は極めて重要』と記されていました。ところが、それでも王子側の主張が通ることはなかった。結果、王子夫妻とロイヤルファミリーとの確執に拍車がかかってしまったわけですが、今回の審理でも王子は『特別に異なる、不当な、そして通常以下の扱いを受けた。ただただ疲れ、打ちのめされている』と主張していますから、改めてチャールズ国王との溝が深まったと考えて間違いないでしょうね」(同)
しかも時を同じくして、王子が長年携わってきた慈善団体のパトロン職を辞任したことが大きく報じられ、またもや大騒ぎに発展。すると、ほぼ同じタイミングでチャールズ国王が一時公務を離れることを公表。まるでこれ以上煩わしいことに巻き込まれたくないから、という意思表示に英メディアの関心が高まったが、
「国王の公務離脱理由はがんの副作用によるものとされています。ただ、がんが公表された際も、ヘンリー王子は父や側近らから容態について一切知らせを受けておらず、入院したこともニュースで初めて知ったと言われている。この距離を縮めるのは相当難しいかもしれませんね」(同)
ただ、ヘンリー王子とて、これ以上ファミリーとの間に亀裂を広げたいと望んでいないはず。そこで打開策として、英国滞在中に兄であるウィリアム皇太子あてに和解メッセージを送った、と報じたのが4月13日付の英「エクスプレス」だ。同紙によれば、王子は4日間の英国訪問中に皇太子に「和解の申し出」をするため、あえて皇太子の邸宅「アデレード・コテージ」近くににある5つ星の「コワース・パーク・ホテル」を選んだのではないかというのだが…。
はたして報道にあるように、同ホテルで兄弟の会談は行われたのか。俄然、気になるところである。
(灯倫太郎)