巨人・阿部監督の「リリーフ投手集め」現役ドラフト・馬場は「ビハインド試合専門」

 ある意味、キーマンとなる投手かもしれない。「現役ドラフト」で阪神から巨人に移籍することになった馬場皐輔投手だが、ビハインドの場面での登板も増えそうだ。

「阿部慎之助監督がトレード補強したのは、高橋礼、泉圭輔、近藤大亮など。さらに馬場も現役ドラフトで獲りました。アンダースローの高橋はともかく、リリーフ陣の補強に徹底しています。それも、強いボールを投げるタイプばかり」(スポーツ紙記者)

 馬場も剛腕のイメージが強い。既存の巨人投手のなかにも似たようなタイプの投手がいる。しかし、馬場は彼らとは異なる一面も秘めていた。

「阪神内には『馬場ワールド』なる言葉がありました」(関係者)

 ノホホ~ンとした不思議な雰囲気があり、場が和むという。劣勢の窮地でマウンドに送られても緊張感を和らげることができ、それが「馬場ワールド」と呼ばれていたそうだ。

 23年シーズンは19試合と登板数を減らした。ボールの勢い、力でねじ伏せるピッチングスタイルを覚えられてしまった感も否めないが、こんな指摘も聞かれた。

「マウンドとブルペンでの投球が全然違うときがあるんです。キャンプ中が特にそうだったのですが、全然ストライクが入らず、荒れていると思ったら、シート打撃でマウンドに上がると、ストライク先行のピッチングになったり。好不調の見分けがつきにくいタイプでもありますね」(在阪記者)

 前出の関係者によれば、本来は「変化球投手」だという。試合中に使う変化球はカットボール、フォーク、スライダーだが、カーブやシュートなど、ひと通りは投げられるそうだ。試合で使わないということはプロのレベルに達していないのだろう。しかし、“イメチェン”で阪神時代は使ってこなかった球種を混ぜてくるかもしれない。

「今季の巨人はビハインドゲームになると、救援投手が相手チームの勢いを止められない試合が続いていました。劣勢の空気を変えるピッチャーとして重宝されそう」(前出・関係者)

 良い意味でビハインドゲームに欠かせないリリーバーとなりそうだ。阿部監督はキャンプ中のブルペン投球で荒れ球を見せられても、驚かないほうがいい。

(飯山満/スポーツライター)

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