大統領の失職後60日以内に大統領選を行うと定める憲法に従い、6月3日、いよいよ韓国で大統領戦が行われることになった。
それに伴い、前回2022年の大統領選で尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領(国民の力)に敗れた革新系最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)氏が4月9日、党代表を辞任、大統領選に備えることを発表した。
世論調査会社「韓国ギャラップ」が行った政党支持率に関する直近の調査によれば、「民主党支持」が43%で、31%の「国民の力支持」を二桁差で引き離す人気ぶりを見せている。
国内では圧倒的な支持を受ける李氏だが、その経歴にはお世辞にも「清く正しい美しさ」からは遠いことが窺い知れる。
「同氏には検事を詐称した公務員資格詐称、飲酒運転による道路交通法違反、特殊公務執行妨害、公職選挙法違反という4つの前科記録があり、関わった疑獄事件では同氏の周りで自殺者や変死も出ています。この状況が何を意味するのかはわかりませんが、政界関係者の間からは『深い闇に包まれた人物』と称されているんです」(韓国ウォッチャー)
さらにプライベートでも、同氏にまつわる疑惑は枚挙にいとまがなく、城南市長在任中の2012年には、職権を乱用して実兄(故人)を精神病院に強制入院させたとする疑惑が浮上。14年には女優キム・ブソンが不倫関係にあったと主張。慰謝料を請求される騒動も勃発したこともあった。
しかも、同氏が日本に対して極めて敵対的な姿勢を見せてきたことはよく知られる話で、前回の大統領選挙に出馬した際にも、日本と韓国の国交断絶を公約の一つに掲げていたほどだが、
「それでも京畿道知事時代に公金流用疑惑が勃発した際には、部下に指示し税金でソウル市江南区の高級美容院から日本製のブランド高級シャンプー買ってこさせたことがばれて『口では反日を謳いながら、髪の毛は親日だ』と非難を浴びたこともありました。ただ、文在寅(ムン・ジェイン)前政権で最悪だった日韓関係が尹大統領就任でようやく回復して、これからという次期。まあ、日本に対する国民感情が変化している現状を考えると、李氏が突如、半日的なスタンスに逆戻りするとは考えづらいものの、大統領が変われば国の方向性が一変する韓国のこと。この先何が起こるかはわかりません。今は大統領選の行方を見守るしかありませんね」(同)
大統領選を前にした各候補による選挙運動は5月12日から22日間行われ、日本にとっても大きな意味を持つ韓国大統領が決まることになる。
(灯倫太郎)