阪神「伝説のグラブ投げ事件」下柳剛氏が明かした「その後の秀太」

 阪神OBの下柳剛氏が、4月9日放送の「これ余談なんですけど…」(ABCテレビ)に出演。伝説の「下柳グラブ投げ事件」の真相を赤裸々に明かした。

 この事件が起こったのは、2007年10月1日の対横浜(現DeNA)戦。遊撃手・(田中)秀太の度重なるミスに対し、ブチギレた下柳氏がグローブを2度投げつけた。

 MCのかまいたち濱家隆一は「あれはパファーマンス的なこともあった?ホンマに腹立ってたのか?」と質問。すると下柳氏は「(あの時)最初ひっくり返って座ってるんですけど、ひっくり返って、ちょっと照れ隠しもあったんです。あ、余計なことやってもうたなと思ったけど、バンッと(グローブを投げつけて)怒ったフリでもしとけと思って…」と当時の心境を吐露。

 さらに「そのとき回りがすごいダレてたので。練習のときから。クライマックス(出場が)かかってる、(下柳氏の)10勝かかってるというところで、何か雰囲気のんびりしてるなと思いながら。で、(レギュラー遊撃手の)鳥谷が試合出れないってなって、(1軍に)上がってきたばっかりの秀太がショートに入るというから『何でショートなん? 何で秀太なん?』って思ってるところにやらかした」と説明した。

 下柳氏の不安は的中し、秀太がエラー。そこでマウンドでグローブを叩きつけたわけだが、そのままではいけないと、次に「わざとショートゴロを打たせて、そこでキレイにゲッツーとって終われよ」と“親心”で投げると、「(秀太の捕球が遅く)ゲッツーとれなくて、またバンッ!」と再びグローブを投げつけたという。

 かまいたち山内健司が「あのあとって秀太さんは下柳さんにどう…?」と尋ねると、下柳氏は「あの日のうちに、たぶん晩飯一緒に食べに行ってますよ」と告白。濱家が「(その時、秀太は)すいませんって感じなんですか?」と追及すると、「いやもう普通です。終わってしまったら」と答えた。

 続けて下柳氏は、その後の阪神のクライマックスシリーズ進出が決まった時のことを振り返り、「俺がファームで調整登板をするっていう時に、秀太はもう当然2軍に落ちてたんですけど、そしたら秀太セカンド守ってるんですよ。『もうショートは嫌です』って」と後日談を語った。

 下柳氏とともにゲスト出演していた阪神OBの片岡篤史氏は「監督、コーチではなく、選手の中に怖い存在がいたほうがいい緊張感を持って選手が成長する」と話していたが、下柳氏はそんな存在だったのだろう。

(鈴木十朗)

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