ビッグフットは公式生物になるのか?カリフォルニア州のUMA法案に注目

 UMA(Unidentified Mysterious Animal)とは、目撃情報や伝聞などは存在するものの、実在が確認されていない生物、いわば未確認動物(未確認生物)のことだ。

 代表的な例としてはネス湖のネッシー、中南米のチュパカブラ、日本でも河童やツチノコなどがそれにあたるが、そんなUMA界において全米各地での目撃談が絶えないのが、ビッグフットと呼ばれる巨大生物だ。「サスカッチ」とも呼ばれるビッグフットは、体長2m~3mで、体重300kg以上。全身に褐色または灰色の毛が密生し筋骨隆々、二足歩行し、強烈な体臭を放つとされている。

「アメリカではかなりの広範囲で足跡が発見されていて、それらの石膏型も膨大な数に上っています。しかし、その正体については猿人やギガントピテクスの生き残りだという説から、ハイイログマの誤認説、巨大なゴリラ説等々あるものの、現段階では、まだその正体は明らかになっていません」(世界のUMAに詳しい研究家)

 1924年にはワシントン州クーガー近郊の原生林で鉱山労働者の一団と「猿人」の一団が鉢合わせしたとのニュースが、隣接するオレガン州ポートランドの新聞社「Oregonian」で大々的に報じられた。それもあって、足跡ほか、ビッグフットの痕跡とされるものが多数展示される同州のビッグフットセンターには、その後も様々な目撃情報が寄せられたという。

 そんな新聞報道から100年。なんと、今度はカリフォルニア州で、州議員がビッグフットを州公式UMAに指定する州議会法案を議会に提出したことが、19日付けの「SFゲート」で報じられ話題になっているのだ。

 報道によれば、同12日法案を提出したのは、北海岸の地域を代表するクリス・ロジャース州議会議員。同議員の選挙区は、伝説となっているビッグフット映像「パターソン・ギムリン・フィルム」が撮影されたビッグフット目撃談多発地域だというのだが、

「この映像は1967年10月、元カウボーイと友人2人がカリフォルニア州のブラフ・クリーク山中で雌のビッグフットに遭遇。その姿を8mmフィルムに収めたというも。ただ、この映像を巡っては、捏造や着ぐるみ説など様々な疑惑があり、正直、映像の真偽については明らかになっていません。この地域ではかねてからビッグフットの目撃情報が多いことは事実。とはいえ、現役議員が大真面目に州の公式UMA指定に動き出したとは、驚きましたね」(同)

 この法案が委員会を通過した場合、その後州議会と上院で審議され、知事が署名すれば本当に法律として施行されることになるという。

「実は町おこし的な意味合いもあり、UMAを公式キャラクターにしたいという動きは、過去にも、ワシントン州やアイダホ州などで起こったことがあるんです。しかし小さな村や町ならいざ知らず、州となると『未確認動物』などという訳の分からないものを公式に認めるわけにはいかないという意見も多く、結果両州ともに実現までにはこぎつけられなかった。しかも2024年1月には、クマの個体数が1000頭増加するごとにビッグフットの目撃報告は4%増加するといった旨の論文が、学術誌『Journal of Zoology』に掲載されたこともあり、アメリカグマ誤認説も再浮上していますからね。いずれにせよ、このUMA問題は、今後は議会にゆだねられることになります」(同)

 ワシントン州、アイダホ州と続いた公式UMA指定騒動、はたしてどう決着がつくのか。

(灯倫太郎)

※写真はイメージ

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