JR東日本の乗り放題きっぷ「キュンパス」利用者にトラブルが続出したワケ

 2月13日~3月13日の平日限定で新幹線・特急を含む列車の自由席、一部の第三セクター線が乗り放題となる「旅せよ平日!JR東日本たびキュン早割パス」(通称・キュンパス)。昨年に続く2年連続での発売で、新たに2日間用も登場。指定席も1日用(1万円)は2回、2日用(1万8000円)は4回まで利用可能なため大変使い勝手がいいが、今年は利用者の間でトラブルが続出している。

 2月中旬に入っても日本海側を中心に大雪が続いており、連日にわたって複数の在来線が運休。また、19日には東北新幹線が午前と午後の二度にわたって車両トラブル。山形・秋田の各新幹線にも影響が及び、61本が運休し、134本に最大5時間弱の遅れが生じた。

 キュンパス購入者のほとんどは、複数の列車を乗り継いで長距離の移動をするため、運休や遅延によって予定変更を強いられる利用者が続出。予定していたその日の最終目的地に到着できず、予約していた宿泊先をキャンセルするはめになった人も多かったようだ。

 そうした中、SNS上にはそうしたトラブルに見舞われたキュンパス利用者からの投稿が相次ぐ事態に。ただし、鉄道ファンだからか不平不満をぶちまけている投稿は少ない。実際、《試されている》と書き込む利用者が多く、ハプニングを受け入れ、その状況をどこか楽しんでいる者も少なくないようだ。

 記者も昨年、キュンパスを利用して日帰り旅行に出かけたが、そのルートは東京駅から新潟駅→秋田駅→青森駅→盛岡駅と東日本を一周して、再び東京駅に戻るというもの。この年は日本海側の沿線でも雪が少なく、幸いにもダイヤも定刻通りだったが、今年だったら秋田―青森は運休になることも多いため、計画通りに行かなかったかもしれない。

 現時点では来年度も発売については明らかになっていないが、もし発売されるのなら今年の状況を踏まえ、トラブルの可能性を頭に入れて計画を立てたほうがよさそうだ。

(高島昌俊)

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