昨年5月にカンヌ国際映画祭でプレミア上映され、あまりにも辛辣すぎる内容からトランプ陣営が上映の禁止を求めていたトランプ氏の伝記映画「アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方」がついに1月17日、日本でも公開が始まる。
同作は長年にわたりトランプ政権を取材してきたジャーナリスト、ガブリエル・シャーマンが脚本を担当。イラン系デンマーク人のアリ・アッバシ監督がメガホンをとった。
物語の舞台は1970年代から80年代の米ニューヨークで、不動産デベロッパー時代のトランプ氏と彼が師として仰いだ顧問弁護士ロイ・コーン氏との関係を通し、怪物へと変身していくトランプ氏の原点を描いたもの。劇中のトランプ氏は無類の女たらしで、マフィアとの間でも取引を持ち、業績を上げるためには手段を択ばない私利私欲にまみれた人物として描かれている。
さらに同映画では、セバスチャン・スタン演じるトランプ氏が減量のためにアンフェタミンを服用したり、最初の妻イバナに対しては、女性の解剖学的構造を勉強しろと言われ口論になり、挙げ句に彼女を床に投げ飛ばし下着をはぎ取って力ずくで…といった、DVシーンも登場。
「髪にヘアスプレーを塗りたくったり、カラースプレーで見せかけの日焼けした肌を演出したり、さらには脂肪吸引や整形手術を受けたりと、強烈な自己顕示欲を放つ同氏の素顔が描かれています」(映画ライター)
これまでにも米大統領の自伝的映画は数多く作られているものの、ここまで辛辣に描いた作品は例がない。
「おそらくは、この映画を観た誰もが、トランプが自尊心の塊とも思える俗物で誇大妄想狂だと改めて痛感するでしょう」(同)
大統領選前の昨年10月にアメリカで公開された際には「選挙干渉だ!」とトランプ氏が激怒した問題作。日本ではまさに大統領就任直前からの上映となるだけに、波紋が広がりそうだ。
(灯倫太郎)