宮城野親方(元横綱・白鵬)が相撲協会を退職。これにより現役引退時の「覚書」が無効となり、暴露本出版の可能
退職は既定路線だった?相撲協会が“スルー対応”のワケ
6月2日、日本相撲協会が臨時理事会を開き、宮城野親方の退職届を受理。これで相撲人生に、ひとまず終止符が打たれた格好だ。
現在は故郷モンゴルに帰省中の白鵬だが、週明けには記者会見を開く予定という。
「白鵬本人は、かなり前から退職の意思を固めていたようです。協会側も“辞めたければどうぞ”というスタンスで、慰留するどころか歓迎ムードさえあった」(相撲協会関係者)
かつての貴乃花親方退職劇と似た展開に、「やっぱりな」と感じた関係者も少なくないはずだ。
“異例の覚書”がついに無効に!宮城野親方が封じられていた理 由
今回の退職劇で注目されているのが、宮城野親方が2021年の現役引退時に署名させられた「覚書」の存在だ。
協会内部では当時、「白鵬をすぐに部屋持ち親方にするのは早すぎる」との強硬な声が上がり、10年間は修行させるべきだという意見も。その結果、宮城野親方には以下のような前代未聞の誓約が課された。
・理事長や先輩親方の指示に従うこと。
・相撲道、伝統、規則を厳守すること。
・相撲界のしきたりから逸脱しないこと。
まるで“素行不良の更生誓約書”のような内容に、当時は「白鵬だけ特別扱いか」と波紋を呼んだ。
だが今回の退職で、この覚書の効力は完全に消滅。つまり、これまで封じられていたその“口”が、ようやく自由になるというわけだ。
「これまで言いたくても言えなかったことが山ほどあるはず。相撲協会の内部事情、昇進の裏側、理事選の駆け引き──全部知っているのは白鵬です。暴露本を出さない保証はどこにもありません」(ベテラン相撲記者)
過去の発言や行動から見ても、宮城野親方は黙って引き下がるタイ
宮城野親方退職で始まる“第二章”──相撲協会との戦いは終わら ない?
宮城野親方の退職は、単なる親方としての引退ではない。これは、長年続いた相撲協会との対立構造の幕引きであり、同時に新たな火蓋を切る“序章”とも言える。
封じられてきた言葉、抑え込まれていた感情、そして失われた信頼。宮城野親方がこれらをどう表現し、どう発信していくのか──。
一つ確かなのは、白鵬の物語はまだ終わっていないということだ。
(小田龍司)