与田監督を迷わす「佐々木よりも地元スラッガーを獲れ!」の重圧

「ドラゴンズに入れたら、多くの方々に見ていただけるし、いいかなと思っています」

 “中日ラブ”を打ち明けたのは、U-18大会で4番も務めた高校通算55本塁打のスラッガー、東邦高の石川昂弥(投手兼内野手/右投右打)だ。
 
 中部の財界や企業トップが名を連ねる「丸八会」がセンバツVの同校を顕彰。石川の発言はその席上で出たものである。地元メディアに言わされた感もあるが、石川は愛知県半田市の出身。今回の表彰が中日球団に対し、「佐々木朗希や奥川恭伸もいいけど、地元から出たスター候補を獲れ!」という要望に見えなくもなかった。

「お膝元の岐阜県出身の根尾が1位指名されたとき、名古屋は凄い盛り上がりようでした。夕方のニュース番組ではトップで扱っていましたからね」(スポーツ紙記者)

 奥川がいる星稜高校のある石川県も中日グループの営業圏内ではあるが、やはり愛知県出身となると、盛り上がり方も違う。地元の財界、企業トップは「根尾フィーバーをもう一度」と願っているのだろう。

「中日が勝てば、街が活気づきますし、大きな経済効果も期待できます」(地元メディア)

 石川のネームバリューは佐々木、奥川に劣るが、将来はそれ以上のスターに育て上げられる土壌がある。果たしてドラゴンズは石川を1位指名するのか。丸八会の表彰式で示された「地元出身のスター候補を!」の思いがかなわなかった場合、来季のドラゴンズは大ブーイングを浴びることになりそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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