「へそ曲がりもいる」王貞治氏はフォローしたけど…イチロー氏殿堂入りが“満票”ではなかった理由

 野球殿堂博物館は1月16日、今年の野球殿堂入りを発表した。競技者表彰のプレーヤー部門での注目は、オリックスや米大リーグ・マリナーズなどで活躍し日米通算4367安打を放ったイチロー氏の史上初の「満票」(得票率100%)に集まっていたが、結果は92.6%(有効投票数349票、イチロー氏は323票)だった。

 プレーヤーズ表彰の投票権は、15年以上の報道経験がある記者が持つ。ちなみに米国では全米記者協会の会員となり10年経つと投票権が与えられる。

「日本球界で歴代1位の得票率は巨人で活躍した往年の名投手スタルヒンです。イチロー氏は三原脩氏、稲尾和久氏、若松勉氏、そして王さんに次ぐ歴代6位。26人の記者がイチロー氏に投票しなかったんです」

 表彰式のゲストスピーチで登場したソフトバンクの王貞治会長はイチロー氏が満票にならなかったことについて「中にはへそ曲がりもいるんだよ」とコメントしているが…。

「日本時間で22日には米野球殿堂入りが発表されます。日米で殿堂入りとなればもちろん史上初の快挙ですが、米国でもイチローには投票しないと公言している記者がいます」(前出・記者)

 満票にならなかったワケは、確かに王会長の言うように「へそ曲がり」の記者がいるとこともあるが、

「現役時代のイチロー氏は記者取材をほとんど受けないことで有名でした。懇意にしている日本人記者というのは皆無と言ってもいいでしょうね」(ベテラン野球記者)

 どんな時でも取材を受けた「ON」や松井秀喜氏とは真逆のスタンスを貫いていたわけだが、現役を退いてからは気さくなキャラに変貌しているイチロー氏。以前から親しみやすさがあれば、満票だったかもしれない。

(小田龍司)

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