「頭の良い選手になれ」日本ハム新庄監督が交流戦MVP・水谷瞬に注文をつけた“シグナル”

 日本野球機構(NPB)は6月19日、セ・パ交流戦の最優秀選手(MVP)に日本ハムの水谷瞬外野手を満場一致で選出した。交流戦歴代1位となる打率4割3分8厘をマークしただけではなく、放った28安打、出塁率4割7分1厘もトップ。初めての交流戦でのプレーで、その存在を自ら全国区に知らしめたと言っていい。

 水谷は父親がナイジェリア人、母親が日本人のハーフで、2018年ドラフト5位でソフトバンクに入団した。

「打撃こそパワーヒッターの評価があったが、守備ではコーチのノックのフライすら満足に取れないレベル。走塁もボーンヘッドばかりで、担当コーチがサジを投げるほど酷かったんです」(ソフトバンク担当記者)

 結果、4軍まで含め総勢100人以上の選手を抱えるソフトバンクのチーム構想からあぶれる形になった。

「1軍のキャリアがないにもかかわらず、昨年の契約更改では“保留”。それぐらいが唯一の話題でしたね」(同)

 そんな鳴かず飛ばずの状態のまま、昨年の現役ドラフトで日本ハムに移籍。水谷の獲得に意欲的だったのは元巨人の木田優夫ゼネラルマネジャー代行で、「スケールの大きな選手として期待している」と、主軸として活躍中の万波中正とのコンビになってほしいという思いがあった。そして6月2日、DeNA戦でプロ初本塁打を放った際には新庄剛志監督も「メジャーに行かせる指導をする」と今やゾッコンだ。

 新庄チルドレンの一角を担う一人となったわけだが、その指揮官からは今後について「痛いの痒いのと言わずに、怪我をしても今の調子を持続して。(レギュラーを掴む選手のように)頭の良さというか、全てを乗り越えられる選手になってほしい」と注文をつけられている。

 年俸560万円(推定)の水谷は今回のMVP賞金で200万円を獲得したが、新庄監督の「頭の良い選手になれ」は“慢心注意”のシグナルであることは言うまでもない。

(小田龍司)

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