野球不毛地帯だった中東・南アジアにまたがるエリアで今年発足したプロ野球の新リーグ「ベースボール・ユナイテッド」。現時点で参入するのは4チームだが10月下旬にはドラフトが行われ、メジャーの元スター選手たちが続々と加入したことでも話題になった。
例えば、ヤンキースやマリナーズの主力を務めたMLB通算2639安打のカノ、サイ・ヤング投手のコローンといったレジェンドをはじめ、昨年までフィリーズでプレーしていた同134本塁打のグレゴリウス、ジャイアンツなどでプレーした同153本塁打のパブロ・サンドバルなどいずれも実績十分。さらに今季ソフトバンクでプレーしたホーキンス、中日とオリックスでプレーしたモヤ、元ロッテのレアードなど日本球界経験者も指名されている。
今年は「ショールーム」と命名したプレシーズン的な位置づけだが、11月24日・25日にはいきなりオールスター戦を開催。すると、同ゲームで採用された“前代未聞の新ルール”が米国で大きな注目を集めている。
25日に行われた第2戦では今季までDeNAでプレーした平田真吾が勝利投手となったが、それ以上に注目を集めたのはサンドバル。なんと球界初となる6ランホームランを放ったからだ。
実は、同リーグでは特定の打席での得点が2倍になる「マネーボール・アットバット」という独自ルールを採用。ランナー2人を置いていたため、倍の6得点となったわけだ。つまり、満塁ホームランなら一挙8点入ることになり、米国のネット上では《こんなの野球じゃない》《野球ファンへの冒涜》など批判コメントで溢れたが、なかには《これはこれで面白い》といった好意的な意見も。
「日本を含む東アジアや米国、中南米など野球がすでに定着している地域では受け入れがたいルールですが、同リーグのように野球に馴染みのない地域ではそこまで反発はないと思います」(スポーツジャーナリスト)
野球好きの日本人からすれば邪道以外の何物でもないが、現地では意外とこのルールが人気に火がつくきっかけになったりして。