10月15日放送の「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)でコメンテーターの玉川徹氏が指摘したタワーマンションの脆さ。
12日に台風19号が日本へ上陸、各所に甚大な被害をもたらしたが、都内近郊でも多摩川が氾濫し、周囲の住民は深刻な水害に苦しめられている。また、「住みたい街ランキング」でも上位の常連である神奈川県川崎市の武蔵小杉では、浸水被害により一部タワーマンションの地下機械室がダメージを受け、エレベーターの利用ができない棟があった。
これについて玉川氏は、最近のタワマンが「再開発地域にいっぱい建っているケースがある」と新興地域に密集する傾向があると指摘し、「武蔵小杉も元々は操車場か何かだった場所でしょ。過度の集中っていうのが色んな弊害を生んでいる部分があって、学校が足りないとか色んな問題が起きてるんですけど」と街としてのキャパシティが、“住みたい人”に追いついていない現状を説明。続けて、「今回、タワーマンションでもし水害が起きたらということが、また新たにリスクとして加わった。タワーマンションは確かに良いんですよ。共益費とか修繕積立金とか安いっていうメリットがあるし、色んな面でメリットがあるんですけど、だけど弱いですね」と様々なメリットを享受できる反面、“脆さ“も覚悟しなければならないと語っている。
「はるか富士山の景色を楽しみ、地上を見下ろすことのできるタワーマンションは男のロマンではありますが、今回の台風で一部のタワマンでは停電によるエレベーターの停止やトイレの使用が制限されるなどの被害が生じています。これまでも、様々なメディアで“タワマンを選んではいけない理由“や“住む上でのデメリット“などと煽ったタイトルの記事が配信され、タワマンの利便性に関する是非はこれまでにも論じられてきました。中でも最も恐れるべきは火災で、東京消防庁のはしご車は最大でも40メートルほどしかはしごが伸びないのに対し、タワーマンションと定義される棟の多くは60~70メートルを超え、高いものでは200メートル以上の超高層タワマンもある。つまり、そのような高層マンションでひとたび火災が発生すれば、もはや消防車に成す術はなく、タワマンに備えられたスプリンクラーなどの機能で内側から鎮火するしか方法がありません。そうした懸念を解消するため、タワマン高層階の住民にはいざという時に使用するパラシュートの売り込みチラシが投函されることもあるようです」(社会部記者)
リビングから見えるきらびやかな夜景は羨ましいが、有事にはリスクと隣り合わせということを認識しなければならないのかもしれない。
(木村慎吾)