JR東海とJR西日本は、東海道・山陽新幹線「のぞみ」の自由席車両を現行の3両から2両に減らす方針を固めた。2025年3月に予定されているダイヤ改正に合わせて実施されると見られる。
のぞみは16両編成で、繁忙期を除き1~3号車の合わせて250席が自由席となっているが、来春より3号車の計85席を自由席から指定席に変更するとのこと。これにより、グリーン車を含めて全座席の9割近くが座席指定となる。
自由席は席を確保することはできないが、そのぶん安く、好きなタイミングで乗車できるのがメリット。ただし、乗車時点で満席の場合は座ることができない。たとえば下りの場合、始発駅の東京駅から乗車するのであれば、座れる確率は高い。すでに多くの人が並んでいたとしても、1本見送れば列の前方に並べるため、好きな席に座ることもできるはずだ。しかし、途中駅の品川や新横浜から乗る場合は座れる確率は下がる。仮に新横浜から乗車した場合、名古屋までは約1時間20分も停車しないため、立ちっぱなしはきつい。何本か見送れば、ほとんどの場合は座れるはずだが、自由席の車両が2両となると競争率は上がる。
「確実に座れる保証はありませんが、自由席車両が2両になった場合は2号車に並んだほうがいいかもしれません。1号車が65席に対して、2号車は100席あります。席数が多いぶん、座れる確率も高くなるはずです」(旅行誌ライター)
運よく座れたとしても、新幹線の自由席にはこんなトラブルも。
「親子連れなどから席を譲ってくれないかと、頼まれるケースもしばしば耳にします。のぞみは駅の区間が長いため、席を譲って自分が立つのは誰でも抵抗があります。ケースバイケースですが、断っても罪ではありません。座席を譲ってほしいと頼んだ人が本当に座りたければ、もう1本、待つはずです。そのほか、混雑していても、座っている隣の席に平気で荷物を置いている乗客もいます。一瞬、躊躇しますが、臆せずに『空いていますか?』と丁寧に聞けばいいでしょう。いずれのケースもトラブルに発展するようでしたら、自分で解決しようとせず、乗務員に助けを求めるのが賢明です」(前出・旅行誌ライター)
自由席車両を減らすことで、席取り合戦は激化しそうだ。
(石田英明)