出張で東京から地方に行く場合、考えられる交通手段は主に新幹線と飛行機の2つ。羽田―名古屋(中部国際空港)は1日3往復飛んでいるが、大半の方は新幹線を利用するだろう。そもそもこの区間のフライトは国際線などの乗り継ぎ客のための路線で、空港との往復や搭乗の待ち時間を合わせると新幹線のほうが所要時間は圧倒的に早いからだ。
では、これが大阪の場合はどうなるか? 羽田―伊丹は1日30往復の国内線有数のドル箱路線。利用客の大半がビジネスマンだが、伊丹空港と新大阪駅はリムジンバスで約25分、東京駅から羽田空港はモノレールと京浜急行のいずれでも25~35分程度。フライト時間が1時間5~20分、さらに羽田空港は20分前まで保安検査場を通らなければならない。加えて、空港の駅・バス乗り場との移動時間もあるため、新幹線より速く到着するのは不可能だ。
では、同じく新幹線と空港がある他の主要都市ではどうなるのか? 西だと羽田―岡山は、飛行機だとフライト時間が1時間15~20分で岡山空港―岡山駅がバスで30分。岡山駅行きのバスは着陸10分後に出発するため、所要時間は最短でも3時間。新幹線のぞみ号は3時間10~20分だが、飛行機は保安検査場をギリギリで通る必要があり、搭乗ゲートまで急ぎ足で向かわなければならない。しかも、到着空港でも荷物を預けていた方の乗車を待つので遅れることが多く、先着できるかは微妙なところだ。
ただし、広島なら新幹線が3時間50分~4時間なのに対し、飛行機は広島空港―広島駅はバスで約50分と遠いがスムーズに乗り継ぎできれば先着できる可能性が高い。
一方、東北方面は青森と途中から在来線区間になる秋田は飛行機、富山と金沢の北陸方面は新幹線のほうが早く着くことが分かった。
ポイントやマイル目当てに新幹線、または飛行機を利用している方は別だが、そうでなければどちらが早く着くかは重要。運賃との兼ね合いもあるが、迷った時の参考にしていただければ幸いだ。
(高島昌俊)