タテジマ最後の打席を寂しい代打で終えた鳥谷敬が「虎キラー」に豹変か!

 セ・リーグのクライマックスシリーズ・ファイナルステージは、巨人が4勝1敗で日本シリーズへ駒を進めた。14日に行われた第4戦では、1−4とリードされた9回二死走者なしの場面で、今季限りで阪神を退団する鳥谷敬が代打で出場。阪神最後の打席を二ゴロで終えた。

「今季限りでの引退を表明したメッセンジャー、高橋聡文には9月29、30日の最終カードで引退登板の機会が与えられました。鳥谷に対してはチーム全員で背番号1のTシャツを着るなどのシーンも見られましたが、球団が直接関わるようなセレモニーはありませんでした。鳥谷は現役続行を公言しており、阪神を出て他球団でプレーする道を選んだので、その辺りの事情が影響しているのでしょう」(在阪記者)

 そんな寂しい最後の雄姿となったが、やはり気になるのは今後の去就だ。有力視されているのは、自主トレを共に行ってきた井口資仁監督率いる千葉ロッテだが、世代交代を急ぐというチーム事情がある。また、埼玉西武も噂されたが、菊池雄星、浅村栄斗と投打の中核選手を喪失しながらも優勝できたことで、勝利至上主義の様相が強まった。「まだやれる」と見ている関係者は多いが、実際にはどの球団も獲得に積極的ではない、というわけだ。

「そこで目が出てきたのが巨人説です。鳥谷は2013年のWBCメンバーに選出されており、その時のチームのまとめ役だったのが阿部慎之助。阿部は来季、コーチか二軍監督に就任することが有力で、このあたりの人脈が生きてくる可能性がある。仮に巨人が鳥谷を迎えれば、阪神に対する心理的揺さぶりになり、将来の阪神指揮官を一人喪失させることにもなります。若手のお手本として検討の余地はあるでしょう」(前出・在阪記者)

 鳥谷のようなチーム功労者が追い出されるようにして、タテジマを脱ぐ…。実力の世界とはいえ、鳥谷の胸中は複雑だ。

(スポーツライター・飯山満)

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