ロシアが震えるウクライナ軍使用の兵器「ドラゴン・ドローン」の骨をも溶かす激ヤバ威力【AsageiBiz週間BEST】

 9月5~11日の1週間にAsageiBIZで配信し、大反響を呼んだ記事のTOP12を再び紹介する。 無人のドローンからの爆撃で森林に描かれた一直線の火焔はまさに「ドラゴン」のよう。ウクライナ国防軍が公開した新型兵器の映像がロシア政府とロシア国民を震撼させている。「非人道兵器」として使用禁止されている白リン弾の数倍もの高温に達する“バケモノ”だったからだ。(初公開は9月11日)

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 いったん放たれたら最後、800~1000℃の高温で一瞬にしてあたりを焼き尽くす恐ろしい兵器として、国際法上、民間人のいる場所での使用が限定されている「白リン弾」。

 ロシア、ウクライナともに、白リン弾を含む焼夷弾の使用を禁止する「特定通常兵器使用禁止制限条約」に署名しているが、昨年5月にはロシアが東部バフムートでの戦闘で白リン弾を使用したとして、ウクライナ側が激しく非難。ロシア側は使用を否定したが、国際法がまかり通らない戦場では、いまだ白リン弾が使用されているケースも少なくない。その証拠に、米軍によるシリアおよびイラクでの過激派組織「イスラム国」との戦闘では10数年にわたり白リン弾が通常兵器として使用されてきたことは有名な話だ。

 ところが9月4日、ウクライナ国防省が、燃焼温度が白リン弾の数倍に達する2000℃~3000℃という焼夷兵器「テルミット」を搭載したドローンを使用しロシア軍が潜む森林地帯の陣地を焼き払う映像をSNSにアップ。内外に衝撃が走った。軍事ジャーナリストが解説する。

「テルミットは1890年代にドイツの化学者が発見したアルミニウム粉と酸化鉄の混合物で、当初は線路の溶接などに使われていたようです。しかし第一次大戦が始まるとすぐに軍事転用され、ドイツ軍がこれを飛行船から英国内に投下。英国軍だけでなく民間にも甚大な被害が出たと言われます。今回、ウクライナが使用したのは大きさから見て、ソ連製クラスター焼夷迫撃砲弾の子弾。その中にテルミット焼夷子弾を内蔵しドローンに搭載して運用しているのだと考えられます」

 CNNなどの報道によれば、このテルミット搭載ドローンは「ドラゴン・ドローン(無人機)」と呼ばれ、ウクライナ軍の第60機械化旅団が運用。2000℃以上の高温により木々を即座に焼き払うものの、ロシア軍兵士を直接殺傷するものではなく、彼らが身を隠す場所を失うことにより無力化させることにあるとしている。

「とはいえ、それはあくまでも理屈の上の話で、実際の戦場でそう上手くいくはずがない。第二次大戦ではドイツと連合国の双方によりテルミットを搭載した爆弾が空爆に使用され、多くの命が失われました。結果、国連により焼夷弾は大量破壊と環境への悪影響をもたらす可能性があるとして、民間人のいる場所での使用が禁止されはしたものの、いまだシリアなどでは米軍により使用されている事実もありますからね。800℃の白リン弾であれば、かろうじて骨は残るかもしれませんが、3000℃となれば何の痕跡も残さず消えてしまうはず。ウクライナはロシア軍の戦意喪失を目的としていますが、犠牲者の拡大が懸念されます」(同)

 やられたらやり返す、それが戦争のセオリーだ。プーチン大統領がこの映像を、指をくわえて見ているはずもない。目には目を歯には歯を、そしてドラゴン・ドローンには…。今後の行方が気になるばかりだ。

(灯倫太郎)

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